反比例。【Kei.Inoo】

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放課後。







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よりによって今日、裕翔くんと２人で委員会のお仕事。







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裕翔『薮先生って人使い荒いよね』







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朝のことはもう忘れたのか…







何事もなかったように、自然に話しかけてくる裕翔くん。







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裕『これくらい先生１人で作れるのにね、』







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私はというと、今日廊下で慧とすれ違ったとき。







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昨日と同じ女の子と一緒に歩いているところを見てしまった。







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…今朝の裕翔くんといい、慧といい。







全然授業に集中することができなかった。







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『そう…だね、』







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５枚ほどのプリントをホッチキスで留め、みんなに配る用の冊子作り。







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２人だけの教室に、

２つだけのホッチキスの音が規則的に鳴り響く。







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裕『Aちゃんってさぁ』







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裕『……いのちゃんのこと好きでしょ』







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ホッチキスの音が止まる。







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『……え』







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隣には、私をじっと見つめる裕翔くん。







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みんなに人気の裕翔くんは、かっこよくて、優しくて、爽やかで…、







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そんな裕翔くんのはずなのに、目の前にいるのは意地らしい視線で、私を試すような。







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裕『……ふふっ、あははっ』







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裕『図星だ！』







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何も言えない私を横目に、子どものように笑う裕翔くん。







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裕『いのちゃんのどこが良いの？』







『すっ、好きじゃないよっ…！』







裕『いのちゃんねぇ〜、ふぅーん……』






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ホッチキスを机の上におき、私の方にくるっと振り返って。







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裕『俺が協力してあげるっ！』







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貴公子のように微笑んだ。







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