プラトニック・ラヴ《1》 (ページ21)

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繁華街の細道を通って

曲がり角を曲がった先にある、『オーシャンブルー』というバー

私はここのいわゆる常連なわけで

海「ん、」

「なにこれ」

海「新作のカクテル。飲んでみて」

「ありがとう。なんか湯気出てるけど」

おしゃれなグラスに注がれたカクテル

それを少し口の中に入れる

「くっそまっず！！」

甘いんだか辛いんだか苦いんだかわかんないこの味

だめだちょっと飲んだだけなのに舌に味がこびりついてる

海「おっけ。じゃあ客には出さないでおく」

「私だってこの店の客なんだけど？」

京「あんたはこの店のモルモットよ」

海「ほら、水」

「ほんとなんでそんなへったくそなのに店継ごうと思ったよね…」

海「長男だから期待されちゃうんだよねぇ」

「やかましいわ」

小笠原海

高校の同級生

料理が壊滅的にへたくそで
よくこうして新作のカクテルやらリキュールやらを毒味役として呼ばれる

京「口直しになんか食べる？」

「食べる食べる！」

御村京子

海と同じく高校の同級生

料理が上手で、この店の料理やお酒はほとんど京子が作ってくれてる

なんで海が店長やってんだろう

京「はい」

「おー！うまそうー！」

京「熱いから気をつけなよ」

「いただきまーす！！…うまぁ！？」

海「なんでそんなわかりやすいかね」

京「色気より食い気にやつに何言ったって無駄よ」

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