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「なぁ、ワタルさん…」
「！あ、ああ、そうだね。うん」
何気にニビあられを食べている旅人さんを見ていたら、グリーン君に話しかけられて本題を思い出した。
「…私は開けた方がいいですかね」
と席を立とうとしたオモダカさんを制止する。
もし仮に旅人さんが未だパルデアを旅すると言うのであれば尚更知っていて欲しいし、何よりこれからも協力を仰ぎたい人だからこそ、ここは止めた方がいい。
緊張感の走る空気へと変わっていく。
その間も旅人さんは冷めた瞳をこちらに向けていた。
あぁ…これは少々くるな…
額に浮かんだ自身の冷や汗に見て見ぬふりをして口を開いた。
「旅人さん。貴方にお願いがあるんです。その上で、まずは質問をさせて下さい」
席を立ち、深々と礼をする。
彼は応えてくれるだろうか。
…
数時間かと錯覚するほど長い静寂。
『…何だ』
返してくれたその一言が嬉しくて顔を上げる。
だが空気が先より重く肌に突き刺さる冷たさを持っている。
一瞬踵が浮きそうになったが、代わりに席に座ることで誤魔化した。
自分とオモダカさん、グリーン君以外の二人はこの状況に耐えられずに俯いている。
「ｯ、何故貴方は、我々を、私達を頼らないのですか？いつも事件の最前線を駆けていたのは貴方だった。一番貴方が……」
傷ついているはずなのに。
なんて無責任な言葉は言えない。それは本人の今までを否定するようなものだから。それは俺と貴方が出会ったあの時を失くすようなものだから。
息継ぎをせずに吐き出す。
「どうして、俺らを頼ってくれない…」
拳を膝上で握り込む。
この人が今までどれほど苦しんできたかは想像ができない。できないほどに、過酷な道を歩んできたのは定かだったから。
それ故にこの人が俺らを頼らないのはもう分かっていた。けれど本人の口から聞かなければ、それはただの予測に過ぎない。
貴方の目を逃さぬように見つめる。
『約束をしたんだ』
静かに貴方は言った。
寂しさを孕んだ目に、悲しさを持った声が室内に満たされる。それでも貴方の表情は変わらない。ただ何処となくそう感じただけのこと。
続きを欲して俺達は耳を澄ます。
『あの人に勝つために』
貴方の遠くを見つめる目が己を射抜く。
手のひらに痛みが走った。
…どうやら血が出るほど握っていたらしい。
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メガサーナイト大好き - とても面白かったです！！私はとても好きな系統、ゲームの主人公やレッドさんが出てくれるのはとても嬉しいです。スグリ君ゼイユちゃんから先生呼びも良い！！伝説の旅人もかっこいい！！更新頑張ってください。応援しています。 (1月31日 8時) (
レス) @page12 id: 6b6e4cd4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ござるぅ | 作成日時：2023年12月31日 0時
