17 ページ17
追記:ちょい変更しました。
ーーー
「あー!終わった終わった!
Aさん初日なのにありがとねー!!」
新人歓迎会と評して、店で小さい宴会を開いた店長はもう頬を赤く染めていた。
一缶の半分くらいしか飲んでいないのにも関わらず、自分を「逆に1ヶ月間雇ってもいいんですね!?」と迫真に迫ってきた既に酔っている"ファド"店長。
かなりのコミュニケーション能力をお持ちのようで、今のところ自分は喋らずに済んでいる。ついでに新人歓迎会なのに窓に1番近い端っこに座らせてもらった
今日は久しぶりの接待に疲れて、ふとカーテンが半分だけ開かれた窓の先を眺める。
キタカミの里とは違う風景に何だか物寂しく感じた。
「なぁなぁ!お前どっからきた?俺カラフシティ!」
がばーっと口開けては銀の入れ物から黄金の炭酸飲料という名のアルコールを喉に通した、この容姿もおちゃらけた男。名は"スーゼロ"というらしい。
急に話しかけられるのは何度もあるから慣れていたが、幾ら慣れていても怖いものは怖い。特に最近はな。
他地方に寄った際の出来事も思い浮かべながら自分もグラスを傾けた
「お?A君ってイケる口なの?」
その質問に何と応えれば良いのか分からず、沈黙で繋ぐ。
厳密に言えば自分が飲んでいるのはただの烏龍茶。グラスに注がれているからウーロンハイに見えたんだろうが
当然ながらそれに疑問を覚えた男は、己の缶と共に首を傾げた。…素直に応えよ
『…ぉ"茶』
いつもの何十倍か動かした喉は、先程飲んだ液体が何処かへ行ったのか自身でも少し驚く程に掠れていた
けれどそれ以上に驚いていた目の前の男。目と口と3本目の缶をプシュッと開けて、何も見えない黒い穴から蛇口のように流れさせていた
『…』
持っていたハンカチで素早く、彼の服がそれ以上濡れることを防ぐのに成功。代わりにハンカチが犠牲になった。
「えっ!?アッ、ゴメン…洗って返す」
…彼は案外健気なやつなのかもしれない。
別に構わないと言う意を込めて首を横に振った
「旅人、さん…?」
62人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メガサーナイト大好き - とても面白かったです!!私はとても好きな系統、ゲームの主人公やレッドさんが出てくれるのはとても嬉しいです。スグリ君ゼイユちゃんから先生呼びも良い!!伝説の旅人もかっこいい!!更新頑張ってください。応援しています。 (1月31日 8時) (レス) @page12 id: 6b6e4cd4ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ござるぅ | 作成日時:2023年12月31日 0時