いっしょにいこう ページ39
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輝きが収まった後、そこにいたのは姿を変えたコリンクだった。
急いで図鑑を取り出し、進化したコリンクを確認する。
「……ルクシオ。ルクシオって言うのね」
こちらへゆっくり歩み寄ってくるルクシオ。
その表情は嬉しさを必死に隠しているような、そんな表情だった。
「おめでとう、ルクシオ!」
これでモウカザルに追いつけたね。
そう言葉を添えると、少し低くなった声でルクシオは返事をした。
「それと、殿ありがとうね。すごいよ、あれだけの数のムックル相手に勝つなんて!」
ルクシオは「当然!」と言うように鼻を鳴らした。
進化した喜びを隠しきれていないようだ。
「さて、この子を早くポケモンセンターに連れて行かないと」
私が施したのは応急手当だ。
ちゃんとした場所で治療して貰わなければならない。
私の腕の中で眠っているムックルを起こさないように、それでも急ぐようにソノオタウンへ向かった。
途中で野生のポケモンに出会ったんだけど、ルクシオが全員相手にしてくれた。
……進化して更にたくましくなったなぁ。
その成長を間近で見る事ができるのも、トレーナーの醍醐味だよねぇ。
***
「お預かりしていたポケモン達は元気になりましたよ!」
「ありがとうございます!」
ソノオタウンに着いてすぐポケモンセンターに駆け込んだ私。
その慌てぶりにスタッフさんは即座に対応してくれて、野生のポケモンであるムックルの治療も快く引き受けてくれた。
返ってきたモンスターボールを腰のベルトに付け、ムックルを抱きかかえる。
すっかり元気になったようで、元気な声で鳴いた。うん、やっぱり大きい。
「ムックル、私が関与できるのはここまでだよ」
ポケモンセンターから出て、ソノオタウンを出る。
204番道路に足を踏み入れ、ムックルを帰そうとするが……。
「……って、何その顔は……」
腕の中にいるムックルは、こちらを不思議そうに見上げている。
なんなら私の腕の中が居心地いいようで、ものすごくリラックスしている。
何故この子はこんなにも人懐っこいんだ……。
「……じゃあ、一緒に来る?」
そう声をかけると、待ってました!という様にムックルは鳴いた。
うん、そろそろこの大きい声に慣れてきたかも。
「分かった。これからよろしくね、ムックル」
モンスターボールを取りだし、ムックルにコンッと軽く当てた。
……手の中で揺れていたボールは、静かに停止した。
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恵野(プロフ) - 羽月さん» コメントありがとうございます! あ、匂わせに気づいちゃいましたか? 続編の方でちょっとしたヒントを出す予定なので、宜しければどんな過去があったのか予想してみて下さい! (2021年10月9日 23時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - え、もうめちゃくちゃ好きです!主人公は過去に何かしらあったんだなぁ程度の匂わせで、すぐには公開しないところがめっちゃ好きです! (2021年10月9日 23時) (レス) @page50 id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 黄桃さん» コメントありがとうございます! 完結なんて何十年後になるやら……(遠い目) これからもこの作品をよろしくお願いいたします…! (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
黄桃(プロフ) - この作品大好きです!完結するまで一生見ます! (2021年10月9日 14時) (レス) id: 5438a1cd42 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 恵野さん» 分かりました。お休みなさい。 (2020年3月31日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恵野 | 作成日時:2020年2月17日 22時