ライバルのような かんけい ページ36
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コトブキシティで一泊し、次の日。
ソノオタウンへ向かうため、北に歩みを進めていた。
「お、トレーナー! 僕と勝負してよ!」
「私の自慢のポケモンと勝負しましょ!」
途中でトレーナーに勝負を挑まれ、昨日ジムに参加できなかったコリンクに任せることに。
「すごいよコリンク、全勝しちゃうなんて!」
褒められて嬉しいのか、ふふんっと鼻を鳴らしているコリンク。
実は先程、”スパーク”という電気タイプの物理技を覚えたのだ。
漸く電気タイプの技を覚えられて嬉しいようで、「まだバトルしたりない!」と言いたげに私の靴をがじがじと噛む。
端からみれば可愛らしい光景だけど、私には別の意味が篭もっている気がした。
「……モウカザルが進化して、焦ってる?」
「!」
コリンクは図星だと言うようにビクリと身体を跳ね、ゆっくりとこちらを見上げた。
……やっぱりそうだ。
「大丈夫よ、コリンク。貴方のペースで進めばいいんだから。私もそのペースに着いていくから」
「……」
コリンクの頭を撫でると、ふわふわとした体毛の感触が手に伝わる。
いつもなら恥ずかしがって嫌がるんだけど、今日は素直に撫でられている。可愛い。
「……なんだか似ているなぁ、2人と」
「?」
「私の幼馴染。レッドとグリーンって言うんだけど……いつか会わせてあげるね」
性格も姿も、そもそもポケモンと人間なんだから全く違う。
でも、互いにライバル意識を持っていて、その意識の中で確かに信頼という感情が芽生えているのは確かだ。
そこが似てる気がするんだ。
何だかんだで2人とも互いのこと信頼しているしね。
「さて、もう少しでソノオタウンに着くはず! まずはあの洞窟を抜けようか」
私達の前方に見えている洞窟。
タウンマップにもあったけど、あの洞窟は”荒れた抜け道”というらしい。
抜け道というくらいだから、抜けるまでにそこまで時間はかからないだろう。
「二度目の洞窟ね。どんなポケモンが生息しているのかな」
コリンクは早く入りたいのか、それとも野生のポケモンを相手に強くなりたいのか、先に進んで「早く!」というように私を催促する。
彼が怒らないうちに早く行かないとね。
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恵野(プロフ) - 羽月さん» コメントありがとうございます! あ、匂わせに気づいちゃいましたか? 続編の方でちょっとしたヒントを出す予定なので、宜しければどんな過去があったのか予想してみて下さい! (2021年10月9日 23時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - え、もうめちゃくちゃ好きです!主人公は過去に何かしらあったんだなぁ程度の匂わせで、すぐには公開しないところがめっちゃ好きです! (2021年10月9日 23時) (レス) @page50 id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 黄桃さん» コメントありがとうございます! 完結なんて何十年後になるやら……(遠い目) これからもこの作品をよろしくお願いいたします…! (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
黄桃(プロフ) - この作品大好きです!完結するまで一生見ます! (2021年10月9日 14時) (レス) id: 5438a1cd42 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 恵野さん» 分かりました。お休みなさい。 (2020年3月31日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恵野 | 作成日時:2020年2月17日 22時