ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ12)

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第3話これまでの旅路ページ12

『っ〜……』

技の衝撃で舞った砂埃が消え去り、フィールドがはっきりと見えてくる。
すると、そこには倒れて目を回す互いのポケモン。
……もう、4度目の光景である。

あれからルネジムにて、ダイゴとAはあの途中で終わった試合の再戦を行った。
ルールはシンプルに1対1、どちらかのポケモンが戦闘不能になった時点で試合終了。
シンプルで決着も着きやすい……ハズだったのに。

「……はぁ」

試合を見つめるミクリはため息をつく。
最初こそミクリも繰り出される技、そして予想外の戦略の連続に興味津々な様子で見入っていた。
しかし、それが4回も繰り返されればもう飽きてしまうというもの。

同時に戦闘不能になるのが4回も繰り返されるというのも凄い話だが、それだけお互いの実力が拮抗しているということなのだろう。

「『もう一回！』」

互いにボールを構える。
絶対に勝ちは譲らないとギラつく瞳。
これはもう、完全に決着が着くまで終わらない。
そんな未来が見えてしまった。

「1対1のバトルだったはずなのに、これじゃあもはやフルバトルじゃないか」

『ダイゴにだけは絶っっ対負けたくない！』

「それはこっちの台詞だ！」

さっき仲直りしたばかりなのに、また姉弟喧嘩が始まったようにすら思えてしまう。
………まぁ、暗い顔をしているよりは全然良いか。
ふっと、口の端から笑い声を漏らす。

「次でラストバトルにしてくれよ。
そろそろ私もジムを閉めて帰りたいからね」

『え〜！まだあと2体いるのに!?』

「………フルバトルする気満々じゃないか」

また、ため息が溢れる。
ジムに来てからはもうかなりの時間が経っていて、本来ならもうジムを閉めても良い時間だった。
それでもこうして二人の勝負を見守っているのは……ミクリも二人と長い付き合いであり何だかんだ甘いからなのだろう。

「じゃあ最後はダブルバトルでどうだい？」

『いいね、乗った！』

両手にボールを構える。
そして、ニッと口角を上げる。
その表情がやっぱりそっくりで、改めて二人は姉弟なのだと実感する。

『お願いね！』

「頼んだよ！」

ボールがフィールドに投げ込まれる。
そしてポンっ、と軽い音と共に、彼らの最後のポケモンたちが姿を現した。