アローラチャンピオン、只今ガラルで冒険中 (ページ4)

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《最近マスターがいっぱいいっぱい悩んでるの、僕達知ってるよ。マスター優しいから、僕達のことを第一に考えてるんでしょ。本当はガラル地方ってところに行きたいくせに、我慢してるんでしょ。いいじゃん、たまには自分の好きに行動したって。僕達なら大丈夫！サヨナラじゃないよ、ただお留守番するだけだよ。だから行ってきなよ。ガラルにさ》

『ライチュウ…』

知らなかった。ライチュウがそんな風に思っていたなんて。
気を使っていたつもりで、逆に使わせてしまっていたと思うと、ライチュウの優しさに目頭が熱くなる。

《私もライチュウと同意見です。マスター、私達のことは気にしないで、自分の気持ちに素直になってください》

サーナイトはそれだけ言うと自らボールへ戻っていく。
ありがとうとサーナイトのボールをひと撫でし前に視線を戻せばライチュウと目が合った。

『そうだね、さよならじゃないもんね』

ライチュウを抱き上げそう笑うと、釣られて目を細めたライチュウがすりすりと頬を擦りつけてくる。
ピリッとした痺れが身体を駆け抜けるがそれさえも愛おしくて、Aはライチュウを優しく抱きしめ決意した。

『決めたよライチュウ。私、ガラルに行くよ』