異世界派遣担当。ⅲ【wrwrd!】【完結】 (ページ7)

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gr「少なくとも、忘れにくさで言ったら兄さん、A、俺、トントン、コネシマ、あたりだろうな。初期からの関わり具合や移動手段として使っていた。ひとらん……は、帰省は一度きりだったのを踏まえるとここからは外したほうがいいかもしれないな。」

『ん、いや、ロボロもそっちだと思う。一人で探索してた期間を考えると相当な時間いたと思う。』

『次、エーミールの次、は、マンちゃんかなぁ…あとはどんぐり。』

『忘れると異世界派遣についての物事全てが分からなくなる、認識できなくなる。……え、詰んでない？？』

gr「詰んでるな。解決方法もないのだとしたらもうどうしようもないゾ。」

顎に手を当てて唸っていると総統室のドアが開いて安全帯とされているトンちが入ってきて引き気味に笑った。

tn「もともと怖いやつが2人揃って怖い顔せんといてもらえます？入るとき圧強すぎて若干躊躇ったやん。」

『んぇ？あぁ、ごめん。色々緊張の局面。』

tn「はぇ〜囲碁でもやってるん？こちとら申請書類がまだたくさん残ってるっちゅうんに、、、え、なんこのグラフ？」

gr「、嗚呼、今、異世界派遣の記憶を忘れていく、という事案があってな。簡単に言うと世界をブチぎった代償みたいなものなのだが……。」

tn「え、聞いてないでそんなん？！どーゆうことやねん！それが基盤で成り立ってるんにそれが分からなくなってもうたら元も子もないやん！！」

『そ、だから緊張の局面。割と本気で焦ってんのさ。』

このままじゃ、全員分からなくなって、いつ仲違いするか分かったもんじゃない。

信頼はあれど、多少なりとも不安はあるものだった。その言葉に沈んでいた空気がさらに重くなってゆく。それは入ってきたトントンも大方最悪の事態のこの事情を理解してのことだったと思う。

tn「え、どうするん、これ。」

gr「そうだな…。一応全員に伝えるつもりだが…。単に伝えるだけには、なるだろうな。」

『しゃーなし。私らももう手詰まりやねん。まだ、まだ異世界派遣にそこまで深く関わってへん子らだから、まだなんとかなる。やけど……。』

『別の世界から来た人間の記憶が消えてしまった場合、本人がヒストリックを起こす可能性もあるしなぁ…。』

都合のいい解決方法があればいいのに。

都合のいいのは嫌いだと、何度も言って、何度もそう疑ってなかったそれに、今はただ希望を求めるしかなかった。

ただ今は、それは正義になると、思っていた。