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治る ページ48

「おかえり〜。およ? 千空くん、そのネズミ・・・」

帰って来た千空くんはネズミを持っている。

「どうすんの千空ちゃん。そのネズミ・・・?」
「食べるのか?」
「即そういう発想になるのがすごいね・・・」
「ゲンくん、ここは石の世界(ストーンワールド)だよ。ネズミ食べるくらい普通だよ」
「いや私だってネズミは食べないぞ」
「ああ良かった〜」
「普段は」
「ああ・・・普段は・・・ね」

なんてふざけていると千空くんが検死を始める。

「ククク貴重なタンパク源だからな。ただ残念ながら今は違うな。検死だ」

千空くんがネズミの腹を切る。肺全体に赤い炎症が見れる。

「千空くん、これって・・・」
「あぁ・・・。細菌が原因でまず間違いねえ。問題は菌の種類だ。万能薬っつっても限度がある。菌ならなんでも100億%ブチ殺せるっつうわけじゃねえ。もしもルリが肺結核、つまり敵が結核菌なら、今の俺らに太刀打ちする術はねえ」
「・・・大丈夫だよ」

その瞬間張り詰めていた空気が更に重くなったような気がした。

「あ”? Aテメー。根拠もねえこと言ってんじゃねえぞ。そんなもん分かんねえだろうが」
「きっと大丈夫だよ。ルリちゃんは結核じゃない」
「っ! だから・・・!」
「だってさ、私達が信じなくてどうすんの? 病気治す為に今まで頑張ってきたんだよ? 私達が下向きに考えてたら、治るものも治んないでしょーが」

すると千空くんはハッとしてクククと笑う。

「確かにそうだ。まさかお前に言われるとはなぁ?」
「え、それどういう意味」
「よく辛気臭え顔してんだろうがお前」
「えぇ・・・。ひどい・・・」

なんて、さっきまでの重い空気が嘘みたいに和気あいあいとしていた時、スイカの焦りを含んだ声が聞こえてきた。

「たた大変なんだよー! ルリ姉が、ルリ姉が・・・!!」

みんなはルリちゃんの元へ走った。私とゲンくんはお留守番。
ここから先は多分、私が居合わせていい場面じゃない。そもそも村に入っちゃいけないか。

「頑張れ、青年」

暫くしてから彼らは戻って来た。病名を告げられた後は数日、サルファ剤を投与することになった。

「ククク。ルリのやつむしろよくぞ18歳まで生きてたもんだ。清潔にして体温高くしときゃ、病状の進行は遅くなる。コハク、テメーが毎日必死こいて運んでた温泉が、結果的には護ってたっつう話だな」

そうしてルリちゃんは肺炎を治し、村の外の地に足を着くことが出来るようになった。
 

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宝石屋 - 咲夜さん» コメントありがとうございます!もう少ししたら環境が安定しそうなので再更新まで暫くお待ちください(*’▽'*) (2022年4月6日 9時) (レス) @page38 id: 89662b225e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 素敵な作品でした!更新楽しみにしております(*^^*) (2022年4月4日 20時) (レス) @page38 id: 9fffeb9d0d (このIDを非表示/違反報告)
宝石屋 - 五月雨のさみさん» コメントありがとうございます!とても励みになります・・・!更新まで暫くお待ちください(*´▽`*) (2022年4月3日 21時) (レス) @page38 id: a5eac6b5c5 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨のさみ(プロフ) - ヾ(>y<;)ノうわぁぁ とても素敵な作品でした!続きをお待ちしてます(*´ᵕ`*) (2022年2月6日 19時) (レス) id: 1f0811c286 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宝石屋 | 作成日時:2021年9月29日 14時

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