能ある少女は力を隠す【Dr.STON】

妖術をかける ページ43

「マーグマちゃ〜ん」

ルリちゃんのいる建物の屋根に上って呼びかけるゲンくん。いやだからバランス感覚凄いな。てかどうやって乗った?

「こないだはどうも。殺 してくれてありがとう♪」
「お・・・お前。よそ者妖術使い!!」
「ななななんで生きてるんでしょ〜・・・???」
「そりゃぁもちろん妖術だよ」

科学が妖術、マジックも妖術って・・・。この世界分かってることの方が少ないなぁ・・・。とか考えていたらなんかゲンくんはそれっぽい動きをして花吹雪を散らす。

「綺麗・・・」
「(いっろんなもん仕込んでやがんな〜マジシャン)お前ってそんなロマンチストだったか?」
「綺麗なものを見ると素直に感動しちゃうものなんだよ。女の子は。ゲンくんって見た目もイケメンの部類に入るしマジシャンでメンタリストな芸能人。本人はハーレムとか狙ってたけど普通に現代でも女の子のファン多そうだよね。それこそ花を使ってキザなことされたら、怪しいと分かっててもキュンときちゃうよね」
「・・・お前もくるのかよ」
「ん? キュンって? ん−・・・。ゲンくんにはないかな」

推しなら別だけど。

「・・・そうか。なら・・・」

とは言ってもなぁ・・・。私が来た意味あんまないなこれ。かと言ってこのまま帰るのもなぁ・・・。う〜む・・・。ゲンくんに加勢するかぁ・・・。

「マグマちゃんに今、一歩でも動くと心臓が爆発する妖術をかけちゃったよ〜!」
「!? 外野の妖術攻撃だろこれは! 反則じゃ・・・」
「爆発したらそうだろな。でもハッタリならただのヤジだ。問題ねえだろ?? 試しに動いてみりゃいいじゃねえか。爆発すっかどうか(・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・)」
「千空くん、その顔はどうなの・・・。はぁ・・・」

震えているフリをしながらゲンくんは続ける。

「クロムちゃん! マグマが動けない今のうちに倒しちゃいなよ!」
「・・・? ハッ! だ、だめだおれ。こしがぬけてもううごけねえ」

凄い猿芝居・・・。まったく・・・。

「さっすがゲンくん! 蘇りの妖術なんて使える人初めて見た! でもその妖術って確か凄い妖力使うよね? 加えて心臓を爆発させる大技妖術なんて! いつ妖力切れてもおかしくないよ!」
「う、ん・・・。Aちゃんの言う通りっ・・・! この妖術ジーマーで妖力使うから、1分しか止めらん・・・ない・・・」
「ククク。A、テメーもなかなかの演技派じゃねえか」
「・・・まーねー」
　

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