能ある少女は力を隠す【Dr.STON】

分かる ページ26

「大変だよ。分かっちゃったんだよー!!」

歯磨きをしているとスイカちゃんが叫びながら転がって来た。

「おぅ、大活躍じゃねえか名探偵スイカ!」
「何が分かったんだ。それ先に言いやがれ」

するとスイカちゃんは焦ったように続きを話す。

「あさぎりゲン殺人事件の犯人がだよ・・・!」
「いやまぁ、死んでないけどね」

まぁ話を要約すると、村一番の力持ちで乱暴者のマグマくんが、コハクちゃんの強さは妖術によるものだと思った。だから妖術使いを殺すことでコハクちゃんは弱くなる。泣いて詫びるなら姉妹共々自分の女にしてやる・・・と。

「ナルシくんかぁ・・・。気持ち悪いねぇ・・・」
「お前結構そういうとこあるよな」

でもコハクちゃんは素の強さなんだ。そんな無茶苦茶理論、通るはずも無い。

「そうか、あさぎりゲンはマグマ達の前で花束を消した。たしかにマグマ視点だとゲンこそが『コハクの連れてきた噂のよそ者妖術使い』に見える!」
「花束を消す・・・何があったの君ら」

知ってるけど。

「磁石を作るときに色々あったのだ」
「へ〜」

すると先程のコハクの言葉を聞いたクロムくんと千空くんが爆笑しはじめた。

「おぅ、じゃあマグマは! 千空と間違えてゲンをブッ刺したっつうことか!?」
「クカカカ100億%とばっちりじゃねえかゲンの奴!!」
「ひどいねぇ」
「笑いすぎだ君ら。ゲンを一番煙たがっているはずの私が一番同情しているレベルだぞ」

するとクロムくんはなんか悟ってるというかなんというか、そういう爽やかな顔で続ける。

「死んでたらヤベーが生きてっからな。ゲンのマジックの力でな! 俺にとっちゃ男同士の同情は侮辱でよ、むしろ笑い飛ばしてやんのも友達だぜ!!」
「あ"ぁ"、ゲンが友達? 頭わいてんじゃねえのかクロムテメー。どう見てもただの同盟軍だろが」
「なんかもう、色々とひどいねぇ・・・」
「本当にいろいろ面倒だな、男どもは」

千空くんどうしたの。さっきまであんなにいい笑顔だったじゃない。急に機嫌悪くなるじゃん。情緒不安定なの？

「で、なんでマグマの奴はあわよくばコハクをブチ殺そうと企んでる?」
「理由はおそらく____いや間違いなく、『御前試合』だ」

お、いよいよか。
　

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