能ある少女は力を隠す【Dr.STON】

気になる ページ12

千空side

デカブツが復活して、ワイン作って、ようやく復活液が完成した。意外と早かったな。

「大樹、テメーのブドウの手柄だ。最初に助ける人間くらいテメーが決めろ」
「ありがとう千空!しかし、このブドウはもとはAが見つけた・・・」

気にする様にAを見る。まぁテメーはそういう奴だな。

「私は別に良いよ。でもそうだな、強いて言うならそろそろ女の子と話したいかな」
「！ありがとうA!1人目はもう決まってる！」

Aは杠の事を分かって言ったんだろう。どう聞いても大樹が杠を選びやすいような言葉を選んだな。あいつらしい。

そう思ったのも束の間。

「まぁ、杠ちゃんはどうせ復活出来ないだろうけど」

聞こえてないと思ったのか、小声でAがそう言った。どういう事だ? 思えばこいつの行動はおかしなところが多い。

石化の日、大樹が来た瞬間逃げるように部室から出て行ったこと。

石化している時の体制が予め石化する事がわかっていない限りしないような体制。

「生き残るためなら見捨てる」なんて、普段のあいつからは想像できない言葉。

そして今の杠は復活出来ないという言葉。

今考えるような事でもないが、やけに引っ掛かる。


それは科学者としての探求心か、幼馴染みとしての好奇心か。
どっちにしろ、

「唆るぜ、これは」
　

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