【ヒプマイ】唐突さが大事

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『これは私にもモテ期が来たかな』




中央区で色んな人との出会いがあってから2週間。

特に何事もなく平和に過ごしていたが
今日はどうやら非日常らしい。

その原因は今目の前の机に広げた
数十枚の写真にある。




『ストーカーってやつですかこれは…』





冒頭で私はふざけた台詞を吐いたが
ことは少し深刻。

バイトが終わり家に帰った私は
いつも通りポストを確認すると
差出人が書かれていない
シンプルな封筒が入っていたのだ。

特に何も考えずに家に入ってから開けると
中から出てきたのは写真、写真、写真。

そしてその写真に映るのは全て私。

学校での写真以外にもバイト中の写真、
更には家の中での様子までしっかり撮られてる。

流石にこれは学校の友達なわけないだろうし
私の目線を見る限り盗撮であることは明らかだ。

極めつけは同封されていた手紙。

内容は凄まじかったので省くが
要は熱烈なラブレターだった。




『今この瞬間も見られてたりするのかな』




家の中まで盗撮されてるということは
この家のどこかにカメラがあるということだ。

こんなことでは家の中で
落ち着いて過ごすことが出来ない。

警察に相談するべきなんだろうけど
私はあまり警察にいい思い出がないのでためらう。

どうしようかと悩んでいると
冷蔵庫に貼った一枚の名刺が視界に入る。





『…備えあれば憂いなし、ってね』





"萬屋ヤマダ"と書かれた名刺を手に取り
マップを開いて私は家を出た。

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