【ヒプマイ】唐突さが大事

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入間銃兎side



『それでどうしてチンピラさんの事務所に行くんですか？』

「左馬刻が貴方のことを気に入ったみたいで。連れてこいと頼まれたんですよ」

『惚れられちゃったんですかね。私アロハシャツ着る人は受け付けてないって言っておかないと』

「自意識過剰もいいとこだな」





失礼ですね
ケラケラ笑いながらそう言った彼女は
バイト終わりだというのに元気そうに見える。





「疲れてないんですか？」

『疲れてますよとっても。でも友達に会ったらだいたい元気になるんです』

「友達…ですか…」






その友達とは多分俺らの事を言っているんだろう。

ヤクザと警察を友達という奴なんて
この変人くらいだろうな

そのうち理鶯と会ったらアイツのことも
友達と言いそうだ。





「つまり楽しみなんですね」

『友達の家に行くみたいなもんですね！』






・






「楽しみなんじゃありませんでしたっけ？」

『私こんな強面の友達持った覚えないです』





携帯のバイブのように震える鳴神

原因は事務所についた途端出迎えてくれた
左馬刻の舎弟達が見るからに
カタギでないことが分かったからだ。

左馬刻1人ならともかく
大人数のでかい男達が今にも殺しそうな目で
こちらを見ている。

そりゃあいくら鳴神といえど
女子高生にはたまったもんじゃないだろう。





「安心してください。左馬刻の舎弟ですから貴方に何もしませんよ」

『あのチンピラさん何者なんですか…？』





そういえば鳴神は左馬刻が
ガラの悪い男という認識だけで
ヤクザであることは知らなかったのか。





「銃兎さん、そちらの子供は…」

「先程話した左馬刻が呼んだ子ですよ」

「それは失礼しました！どうぞ、こちらです」

『警官さんの舎弟の間違いじゃ…？』

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