Aぇ!軽音楽部!!!!!! (ページ46)

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日常への帰り道でページ46

小島「俺らって結局何しに来たんやろな。」

草間「さあ？」

4日目はお世話になった施設の中を徹底的に磨き上げ、楽器や歌どころか1度も音楽を聴くことすらなく合宿生活が幕を閉じた。

過ぎてしまえばあっという間だった3泊4日の中で私達が何を得られたのかはよく分からない。

小島くんの言う通り、何を目的としてこの合宿が行われたのかはイマイチ理解できないままでいる。

室「ほな帰ろか」

先生の心には何かしらの考えがあると信じたいけれど、それを話してくれる様子はない。

自らで感じ取れということなのか、それとも形式上だけのイベントで大した意味はなかったのか。

室「はよ乗れよー」

福本「はーい」

車に乗り込む直前、ふと建物を見上げて寂しくなった。

始まる前に考えていたよりずっと呆気なかったような気がして辛かったはずの作業すら何となく名残惜しい。

趣旨は理解できなくとも、事実として6人と過ごした4日間は楽しかったから。

不安な気持ちになったり目眩がするほど暑かったり、夜中に皆の話し声で目が覚めたりと良いことばかりではなかった。

だけどこれもきっと大人になった時に懐かしく思える貴重な経験へと化していく。

小島「置いてくで」

A「ちょ、あかんって閉めんといて」

ドアが閉まるとほぼ同時にエンジンの音が響いた。

いつもの日常へ戻る合図だ。

皆も私と同じ気持ちなのか、帰りの車内は静かだった。

行きと違って寝るわけでもなければお菓子をボリボリと食べ散らかすわけでもなく、各々が何かを感じ取っているようだった。

正門「あ、そういえば」

不意に正門くんが口を開いて全員の視線が集中する。

正門「結局どうするんでしたっけ？」

草間「え？何が？」

正門「今日の夜です」

皆が揃えて"ああ"と声を上げた。

末澤「リチャのバイト先行くんやろ？」

小島「まあリチャくんがバイトやからそうするしかないですよねぇ」

草間「不本意なら来んといてくれる？」

小島「いやいや、今のはちゃうっすやん。言葉の綾っすやん。」

昨日福本くんから受けたお誘いを昼食の時間に皆へ共有したところ、リチャ先輩がバイトのシフトを入れてしまっている事実が発覚した。

全員揃う日に変更する手もあったけど、どうせなら働く姿を見てみたいという後輩陣の意見によってリチャ先輩のバイト先で食事をすることに決まったのだ。