検索窓
今日:9 hit、昨日:40 hit、合計:12,902 hit

中山道さん22 ページ25



 夷隅は総武達を守りながら、必死だった。

 今ここにいる廃線達は、どう考えても分が悪い。優秀な部類を連
れてきてはいるが、何分人数が少ない。だが、だからといって現役
路線達が何かすることがあれば、恐らく、中山道が罰則を受ける。

 ――そんなことをさせてたまりますか

「隙だからだぜ、坊ちゃん!」
「――ッ!」

 気配で何とか避けたが、帽子が落ちた。

 不味いと思ったが、どうしようもないと半ば諦めて、夷隅は溜め
息をついた。しかし、夷隅よりも、それを見た総武達の方が息をの
んだのが分かる。
 それに舌打ちをしてから相手を気絶させ、帽子を拾う。

「あー、ま、いっか。総武さん達もあんま気にしないでくださいよ」

 へへっと笑い、夷隅は再び足を踏み出した。
 数が減ってきたころ、他の廃線達を見ると、各々怪我をして立っ
ているのが目に入る。
 それに現役路線の方が不信感を抱き始めている。

 ――このままでは不味いか……?

 このままいけば、どうなるか分かりきっている。

「夷隅!」
「はい! なんですか、中山道さん!」

 その時、中山道が声をかけてきた。
 夷隅は中山道を向くと、彼女は笑って頭を指した。それに夷隅は
首を傾げたが、それに気が付いた中山道は声を転がした。

「帽子、ずれてるよ、夷隅。そろそろ、相談があるんだけど」
「僕は反対しませんよ、中山道さん。多分、お考えの通りだと思い
ます。限界の路線がいます。撤退が、最良かと」

 夷隅の言葉に、中山道は一つ頷くと深呼吸をした。

 そして、夷隅に一瞥をくれるので頷いて彼女に控えて、来賓――
施設長を含む主催の人間が座っている場所に向かう。


中山道さん23→←中山道さん21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:青春鉄道 , 二次創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

聖藍萌愛亜(プロフ) - ぴよっちさん» わかりました!読み返しながら待ってます。 (2017年1月22日 18時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 聖藍萌愛亜さん» コメントありがとうございます。返信にお時間が経ってしまって申し訳ないです……。続きが気になると言っていただけてとても嬉しいです!修正してからもう一度更新していこうと考えているので、よろしくお願いいたします (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよっち(プロフ) - 彩楓さん» コメントありがとうございます。お時間が経ってからの返信ご容赦ください。すごいと言っていただけてとても嬉しいです!修正して再び更新したいと思いますので、よろしくお願いいたします! (2017年1月22日 17時) (レス) id: a592d04503 (このIDを非表示/違反報告)
聖藍萌愛亜(プロフ) - 青春鉄道にハマってから時間があまり経っていませんが、大好きです!とても面白くて続きが気になります……!無理をしない程度に、更新頑張ってください!! (2017年1月21日 23時) (レス) id: 1ec8964610 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - はじめまして!青春鉄道だいすきになってから4年が経とうとしてる彩楓です!凄い小説ですね!私も見習わなくちゃ!これからも頑張ってください!! (2016年12月28日 10時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴよっち | 作成日時:2016年1月10日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。