風紀委員長のわんこですが (ページ15)

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14匹目　戦わなければ生き残れない!⑦ ページ15

倒れたのは、でこ出しだった。

「な………に…………？」

彼は盾にされたのだ。

「近くにいた、君が悪い」

委員長がそう吐き捨てると、とげとげは糸が切れたように地面にひざをついた。

バシュッ

華麗な後ろ回し蹴りが彼らを襲う。

ドッカーン！！！

委員長は爆風を背に歩いて行った。

『委員長…！』

「ああ、君。いたの」

先ほどまでの戦いなど夢だったのか、平常通りの顔で振り向く。

『あの人たち、大丈夫なんでしょうか』

「死にはしないよ心配なら救急車でも呼んだら」

自分は関係ない、というふうにまたすたすた歩いて行ってしまう。

「桜井ー！無事か！？」

呆然と委員長の歩いて行った道を見ることしかできない私を、駆けてきた草壁さんが現実に引き戻した。

「そうか、委員長が助けてくれたか」

『はい… あの人はそんなつもり、ないんでしょうけど』

「まあ、いいじゃないか。都合の良いように受け取れば。
俺もそればっかりだ。桜井も委員長に惚れているのだろう？」

草壁さんがそんなことを言うからせき込んでしまう。

『ほ、惚れてるって！？いや、まあ……はい………』

「やはりそうか！俺も…いや、俺たちも委員長の強さや気高さ、愛校心に憧れて風紀委員に入ったのだ」

『あ……惚れてるってそういう…』

「？」

まあ、間違ってはない…かな？