風紀委員長のわんこですが (ページ4)

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3匹目　犬になりました③ ページ4

『な、ななな、なんでもしますぅ…』

だめだ、とうとう涙がぽろぽろ零れてきた。

冷たい感覚が情けない顔を下から持ち上げる。

黒髪の人の武器(なんて名前だっけ…)だった。

「ふーん。なんでも？」

『ひゃ、ひゃい』

恐怖で呂律が回らなくても許しを請い続けた。

見逃してください、お願いします……。

「いいよ」

『へ？』

案外すんなり願いを聞き入れられて間抜けな声が出てしまう。

「今年はうちの委員会に入りそうな一年が少なくてね。人手が足りないんだ」

委員会？そういえば左手に腕章をしている。

……"風紀"？

「今日から君は、風紀委員会の犬だ」

ソファーにゆったりと座り、腕を組み足を組み、綺麗な顔を歪めて笑みを作り、私を見下ろした。

…今この人なんて言った？

「返事は？」

『ひっ』

こ、こわい。目が笑ってない。こんな威圧的な笑顔を向けられたら、

『わ、わんっ！』

大型犬に追い詰められた子犬みたいな私は無意識に答えていた。