企み - 6 ページ12
「じゃあ私は本当に人違いを…」
ツナ「うん。 あれは10年バズーカって兵器で入れ替わった、ランボの10年後の姿だったんだ」
「………すみませんでした」
事情を知ったAは眉毛を下げ、申し訳なさそうな表情をした。
リボ「……おかしいな。
おまえがツナの監視以外の任務に関わってるなんて9代目から聞いてねぇぞ」
「ギクッ …実は日本にいるファミリーの方を見つけたので話を盗み聞きして、私もボンゴレとは別ルートで追っていたんです。 ノーノは私になかなか任務を任せてくれないけれど、役に立ちたくて」
ツナ「す、すごいやる気だ…」
「でもダメでしたね、結局真犯人を捕まえてきたのは私じゃなくて綱吉さんだった」
しゅんとする彼女をなぐさめたいのだが、ツナには上手い言葉が見つからない。
リボ「まったくだな。おまえのせいでツナの部屋はめちゃくちゃだ」
Aの目に涙が溜まっていく。
ツナは何言ってんだよ!という顔をするが、リボーンは落ち着いたトーンで続けた。
リボ「それに全然9代目の役に立ってねぇぞ。
人違いして関係ない人間をボコボコにしたんだからな」
ツナ「おいリボーン!そんな言わなくていいだろ!
Aちゃんだって9代目のために頑張って…」
「う…えぐっ……
うわぁああん」
とうとうAは泣き出してしまった。
溢れる大粒の涙を拭おうとする仕草は小さな子供を彷彿とさせる。
ツナ「わ、どうしようリボーン…」
リボ「情けねぇぞツナ。おまえがなぐさめろ」
ツナ「げふっ!?」
リボーンの飛び蹴りによって前のめりになったツナの胸が、Aの泣き顔に迫った。
「う、うぅ〜〜」
近づいてきた胸を遠慮なく借りて泣き続けるA。
ツナは何か言わなければと言葉を探した。
ツナ「オレなんてもっとダメダメでさ、何やっても上手くいかないんだ…
こんなオレに言われても嬉しくないかもしれないけど、
何かのために全力で頑張れるってすごいよ!」
「つ、なよし、さん…
う…
う〜〜〜」
ツナの身体に手を回し、強く抱きしめた。
ツナ「な!?え、えーと…」
自分の手をどうすればいいかわからず、両手を広げてAに触らないようにするツナ。
態勢はそのままに、リボーンに「どうすればいいんだよ、この状況」と目で訴える。
リボーンは何故かニヤついていた。
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作者名:波紋セラーノ | 作成日時:2020年4月26日 16時