検索窓
今日:3 hit、昨日:14 hit、合計:63,516 hit

転校生 - 3 ページ4

「秋村Aです。よろしくお願いします」


綺麗な黒髪を高い位置で二つ結びにした愛想の良い少女。

良い姿勢からの深いお辞儀はその視線をより温かいものにする。


生徒1「か、かわいくね!?」


生徒2「礼儀正し〜〜」


クラスメイトがざわつく中、ツナは最近イタリア人とばかり縁があるなあ程度にしか思っていなかった。


先生「秋村さんの席はあそこの…

って、え?秋村さん?」


視線を集めたままにAはどこかを目指して歩き出した。


ツナ(ど、どうしたんだあの子)


不思議に思ってぼんやり眺めていたツナだったが、目の合ったAが顔を輝かせたとき「まさか…」と思い始める。


ツナ(オレ!?

なんだっけ、この状況前も…)


思考を巡らせている最中も可憐にスカートを揺らしながら動く足は止まることなくツナへ向かっていた。


ツナ(ああ!獄寺くんと初めて会ったときだ!)


獄寺とは似ても似つかない見た目と表情だが、小さな家庭教師がやって来てからの以前では想像もできなかった出来事の数々が、悪い予感をより強めていった。


ピタリとツナの机の前で止まるA。


ツナ(ひいー!また机蹴られたりとかしちゃうのー!?)


しかし、かけられた言葉は予想外のものだった。





「沢田綱吉サン、だよね?」





ツナ「へ?う、うん、そうだけど…」


「わあ!」








「お友達になってください!」








にこにこ右手を差し出す少女にツナの頭は混乱したが、

どうやら自分に危害を加えるわけではなさそうだ。



ツナ「う…うん…?」


控え目に出されたツナの右手を力強く握りしめながら引き寄せ、少女は小さな身体で抱きしめる。


「やった!」





ツナ「は!?」


山本「ん?」


獄寺「んな!?」



「よろしくね、綱吉さん」


クラス中の混乱を他所に、少女は満足そうな顔で笑っていた。

転校生 - 4→←転校生 - 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:リボーン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:波紋セラーノ | 作成日時:2020年4月26日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。