6話 お隣さん ページ7
最近の結野アナの天気予報が当たらない原因は、結野衆に問題があると思っていた新八たち。
しかしむしろ逆に、結野アナの天気予報を当たらせようと尽力していた。
「隣の屋敷から…光の柱が！？」
「ぐっ！！やはり奴等も！！」
「あっちとこっちで押し合って踊り狂ってるアル！」
「なっ、なんなんですかアレ！！」
「巳厘野家でござんす」
「巳厘野家！？」
外道丸は新八と神楽に結野家と巳厘野衆の確執について話をする。
平安の頃より行われた熾烈な権力争い。
結野家と巳厘野家は犬猿の仲。
平和協定を申し入れた晴明に、道満はこう提案した。
クリステルを嫁に寄越せ。と。
「クリステルは本当にいい子なのよ。こんなバカみたいなことに巻き込まれて……本当に可哀想な子…」
新八、神楽、外道丸の後ろから声をかけるA。
「あの…あなたは」
「このお方は晴明様の奥方で、クリステル様の義理の姉上にあらせられる、A様でござんす」
「晴明さんご結婚されてたんですか！？」
「妹萌えにはもったいないくらい美人ネ」
「クリステルは巳厘野家と結野家の平和のためにと、結婚することを選んだけど……」
我が兄ながら、みっともない。
なにかのために見返りを求めるなど。
人はものではないと言うのに。
人の心は、イチから築き上げてゆくもの。
奪うものではない。
好きでもない男と結婚させられて、幸せなはずがない。
「クリステル様は日を追うごとにやせ衰えていきやした。そんなクリステル様を見て自分の愚に気づいた晴明様は、平和協定を捨て巳厘野家から離縁させ、お天気アナへと復帰させたのでござんす」
「そして紆余曲折あり、始まったのがこの呪法合戦・お天気戦争…。クリステルを守ろうとする結野衆と、結野衆とクリステルを恨む、巳厘野衆の戦い」
「それじゃあ…結野アナの天気予報を外させ、彼女をお天気お姉さんから引きずり降ろそうとしているのは…」
「巳厘野衆頭目。晴明様に匹敵する力を有すると噂される、黒き陰陽師……クリステル様の元旦那、巳厘野道満でござんす」
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作者名：國子
| 作成日時：2018年9月12日 1時
