#宇髄天元生誕祭�� ページ12
「はあ？あいつの誕生日なんて知らないし」
「そんな事言わずに！年に一度ですから！！ね！！？」
「年に一度って、毎年毎年あるでしょうが。だいたい、去年もそんな事言ってた」
「Aさんはいるだけでいいんで！！いるだけでいいですから！！」
「あいつと同じ空間にいるだなんて、それ自体が嫌」
「そんな事言わないでくださいいいいいい！」
Aにすがるように抱きつく須磨。
今日は宇髄の誕生日である。
それを祝うため、準備を進めていたのだが
「どうして私があいつが生まれた事を祝わなきゃいけないわけ？生まれて来なければとさえ、死んでくれとさえ思ってるのに？」
殺したいほど憎んでいる。
死ねと思っているのに。
生まれてきた事を祝えと？
「ハッ」←ものすごくバカにしたような顔
「鼻で笑われた！？！もー！とにかく来てください！！もう支度は整ってるんですから！！」
ズルズルとAを引きずる須磨。
Aの顔は心底嫌そうだった。
「おめでとうございます、天元様」
「おう」
「さっ、天元様」
「おー」
宇髄の前には極上の酒と料理の数々。
すべてこの日のために三人の嫁たちが方々に手を回し、手配したものである。
「そんな所にいないで、こっちに来たらどうだA！」
「話しかけるな」
襖を隔てて隣の部屋にいるもう一人の嫁に、宇髄は声をかけた。
これがAの最大限の譲歩である。
一緒の部屋にいるのは嫌だ。
なら隣の部屋は？
雛鶴の言葉に渋々と、Aはぴったりと襖を閉めて隣の部屋にいた。
「お前も食えよ、美味いぞ。フグ刺し」
「いらん」
「酒もある」
「いらん」
こうしてまともに返事(?)をしているだけでも、珍しい。
「ハァ…ったく。素直じゃねえな」
スパァンッ！
宇髄はよっこらせ、と立ち上がると襖を勢いよく開けた。
「！？」
「そんな所に一人でいるなら、こっち来い」
「は！？ちょっ」
ぐいっと腕を引っ張られ、部屋から連れ出される。
そして
「よっこらせっ、と。よし、これでいい」
「いいわけあるか！！」
どっかりとあぐらをかいて座った宇髄。
その足にすっぽりと収まるように抱きかかえられ、座ることになったA。
「いやー、これしっくりくるな」
「しっくり来てたまるかボケ！死ねコラ！離せクソったれ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お餅(プロフ) - 終わらんといてーーー (2022年2月13日 15時) (
レス) @page16 id: 28886abf9c (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - はじめまして！！コメント失礼します！！続きが気になりました！いつか続きを更新してほしいくらいです！！ (2021年12月22日 12時) (レス) @page16 id: 8f8ae7ff3b (このIDを非表示/違反報告)
万札 - 続きをお恵み下さい……全てが刺さりました…好きです… (2021年12月1日 23時) (レス) id: fa3b030bed (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 終わらないでくださいいいい (2020年1月13日 18時) (レス) id: e55a66c0f2 (このIDを非表示/違反報告)
守小町慶 - え、めっちゃ好き。ドンピシャすぎて何も言えない。 (2020年1月5日 23時) (レス) id: c4783174d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ずんだ (旧 國子)
| 作成日時：2019年10月21日 21時
