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「やばい……食べ過ぎた……」
「だからお昼食べないで挑んだ方がよかったのに。」
「そしたらお昼食べてない分もっと食べるだけの話し。」
「そっか(笑)」
ホテルを出て、駅に向かって歩いていた時だった。
「翔君？」
突然、櫻井の名前を呼ぶ人の声が聞こえて、声の主を探した。
「あっ」
櫻井の横を通り過ぎようとして立ち止まり、声を掛けてきた人は
ちか子先輩だった。
「久しぶり！大きくなったねー！」
「あはは。親戚のおばちゃん？」
櫻井のツッコミに、ちか子先輩がふふふっと笑う。
美人でお洒落なちか子先輩が櫻井の隣にいると、雑誌のモデル？ってくらいお似合いで
わたしはもの凄くいたたまれない気持ちになる。
「邪魔しちゃった？デート中？」
「先輩が思っているような関係ではございません。」
「ふふ…まだそんな事言ってるんだ？」
ちか子先輩はいたずらっぽく可愛く笑った。
「そんじゃ……」
「あ、ちょっと待って！」
櫻井がちか子先輩と別れようと歩き出すのを、
ちか子先輩が櫻井の腕をとることで止めた。
「なに？」
「……言い訳してもいい？」
「言い訳？」
「……別れた時の。」
櫻井の無表情が、一瞬揺れたような気がした。
「あの……あたし少し向こうに行って……」
「行かんでもよろしい。」
櫻井は面倒くさそうな顔をしてわたしの腕を掴むと、ちか子先輩に向かって
「別にいいよ、言い訳しなくて、もう行くね。」と言って
ちか子先輩に掴まれていた腕をやんわり解いて歩き出す。
「本当は賭けなんてしてなかったよ！」
歩き出した櫻井の背中にちか子先輩の言葉がぶつかって、櫻井は足を止めた。
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作成日時：2014年8月29日 22時
