102話 小競り合い ページ15
・
「だいたいヨッシーは男を顎で使おうとするところがあるよ」
「はぁ？そんな気全然ないですけどー！？」
屋根つきの長椅子をひとつ陣取って、その場にビニールシートを広げながら……
風間くんと由里子はまた言い合いしてる。
「風ポン、ヨッシーのことこれ以上怒らせないでよ。
もうヨッシーここ来る前からプンプンなんだから」
広げたシートの上に荷物を置いて、汗で濡れたTシャツを脱ぎ捨てる相葉くん。
「なんかさー、彼氏ん家の前に着いたらヨッシーと彼氏がプンプンしながら出てきてさー、
なんか知んないけど俺ヨッシーの彼氏に、うわ、チャリ？ダッセ！とか言われて〜」
ケラケラ笑いながら鞄から取り出したのは、まだ膨らんでいない浮き輪。
由里子もビニールシートの上に座って、鞄から浮き輪を取り出す。
「チャリがダサイの意味が分かんない……」
風間くんはムスッとしながら長椅子に腰掛け、鞄を漁る。
「イライラしてると下らないこと言ってつっかかってくるヤツなの！子供なの！」
「ぷっ！子供に子供なんて言われてたら世話ないね。いい年した大人のくせに」
風間くんの言葉に、由里子がムッとした顔をして風間くんを睨む。
なんか今日は異様に風間くんが由里子につっかかるなぁと思いながらも……
その様子をただただ傍観しながら、とりあえず鞄からタオルを出してみる。
……生憎わたし、浮き輪もっていないので。
「ほらもーやーめーなーよ、2人とも〜」
「今日の風間マジウザイ！！生理前の女子かっつーの！」
由里子は履いていた短いパンツとTシャツを脱いで水着姿になると
「浮き輪膨らましとけよ風間！」と言い放ち、
相葉くんの腕を掴んでずんずんプールサイドへ向かって行く。
「……準備運動しろよバカ」
イラつきながらも由里子に投げつけられた浮き輪を手繰り寄せる風間くんは、
溜め息をつきながら空気入れのホースと浮き輪を繋ぐ。
「……Aちゃんも、楽しそうに見てないでなんか言ってよ？」
「えぇ？」
お父さん、みたいな空気を出す風間くんがおかしくてまた笑うと、
風間くんは観念したように鼻で短く息を吐いて、そして笑ってくれた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年10月7日 0時
