温かい家～sweet home～【S.S】 (ページ19)

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*.....*.....

翔「お前はAさんの事好きなの？」

辰「好きだけど。」

彼女に続き、こいつまでもさらりと言ってのけるのか･･････

こうなるとちっともドキッとしないよね。

翔「付き合ったりはしないの？」

辰「なんで？」

翔「なんでって･･････好きだったらそういう事考えない？」

辰「好きっつっても･･････」

辰実はハンドルを握り、真っ直ぐ前を見つめたままで話しを続ける。

辰「下に兄弟がいたらこんな感じかなーって思う。俺、末っ子だし。」

翔「兄弟かぁ･･････」

辰「何でそんなこと聞くの？」

翔「えっ！？」

何でと聞かれると･･････

翔「だってすごい良い雰囲気出てたよ？」

辰「良い雰囲気って？」

翔「えぇー･･････なんかお互い大切に思いあってますみたいな。夫婦みたいな？」

辰「ふーん･･････」

･･････

ふーん･･････じゃねぇよっ！

辰実がそれ以上、口をききそうにないのでまた俺から勝手に話すけど。

翔「付き合いが長いから？」

辰「え？」

翔「付き合いが長いから醸し出されるの？そういう空気。」

辰「付き合い･･････長くないよ別に。」

翔「えぇっ！？」

Aさんと言ってる事違うんですけどー

翔「だって大学時代の友達だろ？だとすると10年以上は一緒だよね？」

辰「そうだけど、その間5年くらい会ってなかった時があるし。」

翔「そうなの？どうして？」

バカみたいに質問攻めで、

子供みたいに興味津々になっている自分には

まるで気付かないでいた。

どうしてそんなに根掘り葉掘り聞き出したいのかなんて、

この時は考えさえしなかったし。