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「すみません。」




今日も鬼が出たと言われる村に出向く。





「ここら辺で人がさらわれた事件とか聞きませんでしたか?」




率直に言葉を発すると明らかに周りの空気が変わる。


「知らないわねぇ、」




あぁ。ここだ。間違いない。



鴉を呼んでお館様に居場所を伝えるように頼む。






私は嘘がわかる。



私はとてつもなく珍しい稀血だ。



そのおかげで幼い頃から鬼にしょっちゅう出くわしては食べられそうになるのだ。





人に化けている奴もいるし、

私を生贄にして逃げようと考える人もいる。





そのおかげかは分からないが瞳の中の瞳孔や瞬き、微かな匂いや動作で嘘がわかるようになってしまった。






その場からひとまず離れてまた聞き込みをしようとしたときだった。


私の衿を誰かが後ろからまるで猫のように掴んだ。



「ひぃっ」



肩を震わせて振り返ろうとすると

「おい。どこだ。」


ああ。
「なんだ。冨岡さん。」


水柱の彼だった。


「すみません。まだ居場所が把握できていません。」


すると ぽん、と私の頭に手を置いてぐしゃぐしゃと撫で回した。


「もういい。」


そう言ってどこかへ行ってしまった。





「もういい。とか怖っ。」


呟くと冨岡さんが振り返りそうになったのでぐしゃぐしゃになった髪を押さえながら急いで屋敷へ向かった。



口下手なだけで夜になると鬼に追いかけ回される私を心配してくれたんだろうな、と私は思うことにした。






屋敷に着くと気がつく。




あ。今日ちゃんとした仕事してないじゃんか。



明日は頑張ろう。

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あずき。(プロフ) - つばきさん» ありがとうございます!! (2019年11月8日 19時) (レス) id: 649f8509af (このIDを非表示/違反報告)
つばき - 面白い! (2019年11月7日 7時) (レス) id: 7c96c23d45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あずき。 | 作成日時:2019年11月4日 19時

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