恋をしたのは王子でした (ページ17)

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・17話ページ17

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次の日もやっぱりニノから何も言われなくて、他の部活見学へ行くことにした。

岡田先輩はまたいつでもサッカー部に来いって言ってくれたけど、流石にちょっとメンタルやばいから、俺そこまでハート強くないから、今日は雅紀のいるバスケ部を見てみることにした。

なんと幸運なことに今日は他校のバスケ部と練習試合をするという。
雅紀が朝から張り切っていたのはこのせいか、
鬱陶しいほどにニノに絡んでいたのはこのせいか。

ニノが助けを求めていたけど、面倒だったからスルーしたら直後にメッセージが来て、

『後で覚えておけ』

と、恐ろしい文字が見えた気がしたけどきっと気のせいだ。

正直バスケ部に入る気はさらさら無いので今日が練習試合でよかった。
新人がいきなり試合に出れるわけもないし、しかも雅紀の友人だと言ったらベンチで見ててもいいと言われて、偶然だけど特等席確保！

雅紀のイケめてるとこを写真に収めてニノに見せて欲しいと頼まれたが、致し方ない今日はやってやろう。

そういえば、バスケ部の先輩にマネージャーやらないかって誘われた。
なんでもバスケ部は恋愛厳禁らしくマネージャーはおらず、今はレギュラーじゃない1、2年生がマネージャーの代わりをしているんだとか。
これ斗真が聞いたら泣くな。
女の子大好き野郎だからな。

そんなことを一人考えていたら「キャー！！」という女子の甲高い声が聞こえそちらを向けば、丁度雅紀がシュートを決めたとこだった。

ピピーッという試合終了の合図が鳴り歓声が上がる。
最後にシュートを決めた雅紀はチームメイト達に揉みくちゃにされながら顔をくしゃくしゃにして笑っていて、俺はそれをしっかりとスマホのカメラに収め大満足。
もしかしたら自分は写真部なんかが合ってるんじゃないかってくらい、我ながらいい写真が撮れた。

練習試合でこんなにドキドキするんだから、本当の試合なんて観たら俺の心臓どうなっちゃうんだろう。
このドキドキを、この感動を写真に収めたいと本能的に思って雅紀だけじゃなく周りのチームメイト達も撮っていると、体育館の出入口に人影が……

俺の視線に気づいたのか、その人はさっさと出ていってしまった。

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