若きオイディプスの悩み

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「オレたち……、本当に家族なのかよ。よろしくないのはコウタなんじゃねぇの」

「どういう意味だ？ おまえなにか、」

「ああもうっ！！ どうしてそうみんな思わせぶりなんだよっ！！ コウタは最低だしそれじゃなくてもオレの夢まで毎日鬱陶しくてさぁっ！！ もううんざりだよっっ！！」

「最低……？ 夢？ って……なにそれ？」


ヒカルのきょとんとした顔にもムカついて、オレは怒鳴った……。


「変な女の夢だよっ！！ ちっちゃいオレのことめっちゃくちゃに殴ってわけわかんねぇ――、ってヒカル……！？」


ガタッと音を立ててヒカルが立ち上がった。

顔が突然真っ白になって、ガタガタと身体が震え出す。
口を押さえて何度も咳き込んで、今にも吐き出しそうな顔に――。


「ヒカルっ」


コウタも立ち上がって、そんなヒカルを抱き寄せた。

ヒカルはまた何度か咳こんだ後で、コウタに連れられてリビングを急いで出て行った。
洗面に行ったんだろう…。


オレは呆然と立ちすくむ。

だいぶ待ってからコウタだけが帰ってきた。


「……胃液まで吐くもんだからな、寝かせた。リョウスケに会いたがってたけど……。リョウスケ」

「な、なに」

「おまえの苛立ちの幾つかは理解した。分からないところもあるが―――でも確かにオレたちはおまえに隠していることがある」

「え、」


オレをまっすぐに見つめるコウタの顔は、今まで見たことがないくらい真剣で――


「だけどしばらく待ってくれ。ヒカルが覚悟を決めるまで。一両日中には必ずすべて話す」

「ヒカル？ なんでヒカルが……」



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