轟くんの初恋奮闘大記録 (ページ9)

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第８話　　　親バカとメタ発言と鳥野郎と私。ページ9

エンデヴァーさんの親バカ発言により焦凍さんの機嫌が綺麗にがた落ちしたところで、

焦凍さんの周りの悪い空気を見かねた私の父がなだめ役に回った。

「ま、まぁ落ち着いて下さい、轟さん、焦凍くんも。

それで…………お誘いをお受けしておいて大変申し訳ないのですが娘の調子が朝から悪く…………

後は若い二人に任せておくのはどうでしょう？」

ナイス、お父さん。

調子が悪いだなんて…………やだ、バリバリ元気だよ！←

でもいやに似てるのか知らないけれど、焦凍さんも私も周りの空気ドス黒いもの。

この状況じゃ当たり前か。

まぁ二人っきりになった方が婚約を白紙にする件を持ちかけやすいし…………。

この婚約の意味が、私の両親にとって、『個性婚』ではないって事くらい、

知ってるんだけどね…………。

ヒーローは諦めたから。

悔いはないし、鳥野郎も良いんじゃないと適当ながら言ってくれたし。

これで良いの。

ごめん、お父さん、お母さん。

『分かった、焦凍さんと二人で話すから…………お父さん達は先に帰っておいて下さいますか。』

「そうだね、二人の問題だし…………。」

「おい、冬美。この婚約は…「お父さん！！」…そうだな、好きにするといい。」

…………悪い人ではないのかな…？いや、あれはどっちかと言うと『丸くなった』のが

正しいか。
…………この分析力、嫌だなぁ。

はっ！！ダメダメ、いけない。

「それじゃあA…………ゆっくりAのスピードでね。」

「お父さん達は挨拶済ませたら帰るから。」

連れてきたのに先帰るのもどうかと思うがまぁいっか。

鳥野郎にでも後で愚痴ろう。

さてーーーーー二人っきりになれた。

『私は、この結婚を認める気はありません。』

絶対白紙にしてみせる、と意気込んでいたのに、まさか

『こうして付き合ってくれと追っかけ回される事になるとは…………。』

走って走って、ようやく撒けた。

なんなの、あの人。焦凍さん…………いえ轟くん。

足速すぎでしょう…………。速いだなんて、あの鳥野郎を思い出す…………。

…………これでさすがに分かったな、『鳥野郎』←メタい

それこそ早く正体に気付いてほしかった作者が気持ち悪いくらい鳥野郎と
連発していた事にお気づきの読者様はいるだろうか…………←メタい！！

足が速いこと、

何だかんだ、

一つ、

轟くんの事、知ってしまった。