轟くんの初恋奮闘大記録 (ページ1)

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プロローグページ1

私のお父さんは、正直とてもハイスペックだと思う。

顔は整っていると思うし、優しいし、個性も強いし、

何よりプロヒーローとして、人を助けて敵を倒す、その姿は

とても尊敬する。

だから、何事も難なくこなし、あまり困っている事や

苦戦している事なんてないイメージ。実際そうだ。

そんなハイスペックなお父さんを夫に出来たお母さんは

さすが凄いと思う。

夫に出来たその理由も、同じくハイスペック同士だったからだろうけど。

ーーーーーそう、思ってた。

「そっか、□□□ちゃんは知らないか。

轟くんの、失恋話。」

私ったらきっと、鳩が豆鉄砲くらったような顔をしていたと思う。

今思えば、いつもついネガティブ思考になってしまう私がよくその場で

恥ずかしがらなかったな、と思う。

ーーーーーそれくらい衝撃的だった。

デクさんにいきなり言われた後の私が発した、珍しい叫び声に１―Ａの皆さんが

「なんだなんだ」と心配して来ていただいたのは恥ずかしい…………。

「お、お願い！デクさん！お父さんの失恋話、き、聞かせて下さい！」

けれどいきなり叫んだ私を心配してきて下さった１―Ａの皆さんも

私のところへ来たのだから聞いちゃう訳で…………。

「懐かしー！！聞こうよ、聞こうよ！！」

「ナイスだ、芦戸！！あの漢らしい轟が苦労してたもんな！！

俺も聞きてぇ！！」

「見てたこっちがドキドキハラハラしたもんねぇ！！

あれは一番の想い出やわー！！」

「ハッ！女一人落とせねぇ舐めプの姿は笑えたな！」

「けど爆豪ちゃんもたしかお嫁さんに好きになってもらえるよう

アプローチしてたわ、たしかかなりかかったんじゃないかしら。」

「最後は嫁にしたしガキも孕ませたわ！！過程はいいんだよ！クソが！！」

「なら一緒じゃねぇか？」

「んだと、ゴラァ！！」

あれ、お父さんもいつのまに…………。

「か、かっちゃん落ち着いて…………。けど轟くんも良いみたいだし、

聞きたい？□□□ちゃん。」

「は、はい…………！！！」

「轟くんからの話も含めると…………ーーーーー。」

お父さんの、初恋。それは、

お母さんを、[恋人]にさせるまでの、お話ーーーーー。