第５話 親友との会話 ページ6
冬。
秋の終わり頃、季節の変わり目で空気は冷え、雪も降り始めている。
寒いのが好きな私の心が踊る様に、段々と親しくなってきたサポート科の友達と会話に花を咲かせるのだった。
そんなAの様子に少なからず気づく者も居て…………
「なんかA、機嫌良いね。寒いの好きな方？」
同じＨ組サポート科、今では親友と言える程仲の良い、水谷 流季(みずかみ るい)。
『あっ、うん！！寒いと何だか落ち着くんだよね、暑いのが苦手だからかな？流季は？』
「当然の如く〃全暖房機能性付きマフラー〃を開発したよね…………先は長いわぁ。」
『つまり苦手か…………はしゃいでるのが私だけだとなんか恥ずかしいな…………‖‖』
「はしゃいでるのは別にAだけじゃないんじゃない？個性の影響で寒いのを好む奴も居る
し…………サポート科はそう言う個性の奴あんまだけど…………あぁ、例えば『轟くん』？通称・『氷の貴公
子』らしい。」
轟…………くん…………？
「アハハ、誰だソイツ、って感じの顔だね。まぁそだよ、ヒーロー科だしね。分かる？Ａ組。
関わる事は余り無いし…………世界の違う人だけどね、勿論ヒーロー科なら彼に限らず。」
『そっか…………。』
轟くん、ヒーロー科の人。
流季と話した会話。今この状況だからか、一から百まで、のように鮮明に流れ込んでくる。
…………可笑しいな、話した時は関わる事は無いって事で余り興味も無かったのに。
けど今はこの襖の先に待っている人…………轟くん、いえ今だと焦凍さん？が一体どういう人なのか気になってしょうがない。
個性婚とは言え、お見合い相手の人。
関わりも浅い、ヒーロー科の人。私の世界を広げてくれるかも知れない大きな人。
…………ほんの少しの期待と、
関わりたくない、結婚したくないという思い、『必ず白紙にしてやる』と言う決意を胸に、
襖の取っ手に手を掛けた。
ーーーーーどんな人だろうか…………？
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作者名：あいね | 作成日時：2019年9月18日 22時
