特技 : 胸きゅん【青】 (ページ26)

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「群青の街で～♪」

松「音痴かよ」

「すごい毒舌ねあなた」

音楽の授業に感化されて合唱曲を歌う私。

松「はい、罰としてジュース買ってきて」

「まてまて何の罰だよ？」

松「え、私に音痴な歌を聞かせた罪」

「だいぶ酷いねあなた」

とか言いながら自販機に向かうのは、安田君に会えるかもって淡い期待を抱いてるから。

廊下に出て右を向くと、自販機の近くで安田君が友達と談笑してるのが見えた。

それを見たら思わず足は左に向く。

……うん、このまま中庭の自販機にしよう。

期待してた自分が恥ずかしいわ。

本当に、受験生だっていうのに…

もう諦めようって決めたのに…

松下のりんごジュースを押して

…このモヤモヤした気持ちを吹き飛ばすために

私はキンキンの炭酸水を押した。

安「…A先輩、」

「え、」

安「先輩見つけたんで来ちゃいました」

安田君はへへって笑って、炭酸水の季節来ましたね～って私と同じ炭酸を買った。

「あ、のさ」

「“残りモノ”の話なんだけど」

安「あ、あれはホンマにすんませんでした」

「……そうじゃなくて」

「私、彼氏いないから、！残りモノだから！」

安「…え？」

安「じゃあ、駅で一緒におったんは…」

「あれは…ただの幼馴染み！」

「兄弟、って感じの……ぅん、」

安田君はキョトン、としながら炭酸水のキャップを開けた

プシュって音だけで喉が渇いてくるよね

安「………じゃ、残りモノ同士仲良うしましょ」

安「……花火大会一緒に、とかダメですか、？」

期末テストは終わって

もう明日は終業式だ。

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