「chaosと書いてケイオスと読む」① (ページ11)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:2,964 hit

初戦闘③ ページ11

見えていた住宅地が消えていく。
アスファルトが消えていく。
そして辺りには数多の剣。

有季「『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』…⁉」
ウィスパー「ふむ…、どうやら彼も、データの世界から来たようですね」
有季「え?」
ウィスパー「彼をよく見て下さい」

エミヤを見やる。
体の一部が0と1で覆われ、そこから闇が溢れている。
そして服装が赤原礼装ではなく、「ハードでクールなジャケット」に変わっている。

有季「…『エミヤ』じゃなく『無銘』…、エクストラか!」

にしても向こうのジャケット(ハードでクール)とこっちの緑色(義眼)の所為でシリアスにならないんですが。

有季「って事は今この状況は、えっと?」
ウィスパー「彼にとっては心象世界、我々にとってはデータの基盤ですね」
Dソラ「つまり俺はどうすりゃいいんだよ⁉」
ウィスパー「この空間の何処かにハートレスのコアがあります!それを無力化すれば!」
Dソラ「何だ!そんなのラクショ…うわっ⁉」
有季「ソラッ⁉」

いつの間にか急接近していた無銘が、データソラに双剣を振り下ろす。
ソラは何とか防いだようだが…。

Dソラ「有季!コイツは俺が抑える!お前はコアを探せ!」
有季「…分かった!」

…でも、コアなんて何処に…⁉

ウィスパー「考えられるとしたらこの沢山の剣でしょうが…」

ウィスパー曰く、コアは空間内の何かの中に隠れているらしい。

有季「一個ずつ透視してくの⁉そんな時間ない!」
ウィスパー「ですが…」

待て、考えろ、何か方法がある筈だ。

考えろ、考えろ、考えろ…!

………………………。

…時間にして、3秒。
義眼ウォッチを構え、大きく息を吸う。

有季「みんなごめん!『視野混合(シャッフル)』!」

直後全員の視界が混ざる。

俺の視界、無銘の視界、データソラの視界、ウィスパーの視界、そして…。

ハートレスの、視界。

有季「そこだぁっ‼‼!」

木の葉を隠すなら森の中。
剣を隠すなら剣の中。

でも神の眼は、それすらも見抜いてしまう。

有季「もう逃げられないぞ!『絶対看破(アブソルートインサイト)』!」

パキンと剣が砕け、残骸から黒いモヤが現れる。

有季「令呪を以って命ずる!ソラ!来い!」

一瞬でデータソラが俺の目の前に現れる。

有季「後は任せた!」
Dソラ「ああ!『光よ(ホーリー)』!」

世界は、光に包まれた。