病は気から? [cs] # ページ5
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前のcsさんは消しちゃいました
気に入らなかったのが理由なので いずれリメイクします💦
奇病パロです
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体温計がぴぴっと音を立てる。脇の下から引っこ抜いて、デジタル式で表示された私のからだの暖かさを確認する。きっかり36度。今日も平熱だね、そんなお医者さんの声が聞こえてくる気がした。 その数字を丁寧に紙に書き留める。誰にでも分かるような時の綺麗さを持つ字で、丁寧に丁寧に。これが私の、日々の日課である。
この病院には、変わった病気の子たちが集まっている。私も例に漏れることはなく、かなり不思議な病気を持っている。この病のせいでかなり皆から疎遠されてきたが、ここで暮らし始めてから独りぼっちになるのは少なくなった。だって、みんな私と同じような病の持ち主だから。
「……今日もお月さま、出ないのかなぁ」
ほろり、と小さなつぶやきが口から漏れだす。たまにこうやって、誰にも向けていないひとりごとが無意識に飛び出してしまうときがある。
それを私のお医者さん__まぁ堅苦しく言えば「担当医」さんに聞かれてしまうと、どうしても厄介なことになってしまう。さっきの呟きは聞かれてもそう問題はないんだけれど。
「………ま、いっか」
ふぅ、と溜息を零して紙とペンに向き直る。太陽がもう沈みかけているのか、光が私の部屋に届かなくなってきた。このままじゃ作業しづらいから、と部屋の隅っこの壁にひっそりとつけられている電気のスイッチを押した。
途端に、伸ばした腕に這う様な痣が見えた。
びりっとした電流に似たなにかが頭を走り抜け、警告が鳴る。思わず息をのんで、痣の這う腕を強く握りしめる。
「……っ⁉」
思いっきり袖で痣を覆い隠す。これだから見たくなかった、これだからずっと長袖を着て現実を見なかったのに。
私のこの痣は、数年前から私を蝕み続けている。最初は太股の内側から始まり、次に足首、背中、首筋などにどんどん現れ続けていた。この痣が現れると、患部が異常なほどに痛み続けて、最終的には血がだらだらと流れ始める。
この病のせいで、私は常に包帯だらけの醜い少女になったのだ。そう思うと急に心が締め付けられる感覚がして、眉を顰めた。
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ぴすけっとの遊び場(プロフ) - りゃまさん» うわ〜!!コメントありがとうございます🙇♀️ 毎回お題に工夫を入れたり、言葉選びには気を遣ったりしているので、そのお言葉とっても嬉しいです🙌 これからも頑張ります……!!嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!!!! (2021年12月13日 19時) (レス) @page4 id: af576e9416 (このIDを非表示/違反報告)
りゃま - 初めまして、! お話の構成、言葉選び、口調等々、とても好きです! お話の設定された題材等、とても大好きです…… 個人的にとても大好きです、これからも頑張って下さい! (2021年12月13日 0時) (レス) @page4 id: b71400f95b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:健康優良児ぴすけ | 作成日時:2021年12月5日 17時