第参拾肆話、呪縛 ページ35
唖然とする敦達を他所に近づいてくる。
あまりにも自然で、いつも通りの行動に、二人は遠ざかる事ができなかった。
敦の手元にある写真を懐かしそうな表情をする。
「どっちがどっちか、なんてわかんないよな。親でも見分けつけられてなかったし。こっちが俺で、そっちがAね。ていうか、案外可愛い顔してんなー、俺達」
「…聞きたい事がある」
今すぐに離れろ、と声を荒げそうになったが、これは好機だ。何かしら情報を聞き出せるかもしれないと、国木田は努めて冷静な声色で言う。
谷崎と敦もそれを察したのか、その場から動かなかった。
「"北原白秋"、と言ったな。だが、北原家の戸籍情報にその名はなかったぞ」
「そりゃそうだよ。七歳になった瞬間に戸籍を消されて、この世にいない存在になったんだから」
さらり、と投下された発言に全員が目を丸くした。
北原家は代々、子どもを二人産む事が当たり前だ。
それも年子か、離れて二つ程の兄弟をつくる。七歳までは一緒に居させ、七歳になった瞬間離され、別々の人生を歩む。
全ては"執行者"と"北原家当主"という二面の顔を持つ北原家を護る為の掟である。
一人は北原家当主として、"一人息子"や"跡継ぎ"という扱いになる。もう一人は"執行者"を担うのだ。
命令を下すのは当主だが、実行するのは"執行者"。
二人で一人の"
だが、あくまでも当主は一人である。
「双子なのは、俺達が初めてだった。一卵性双生児だったから顔も瓜二つ。加えて性格も、体格も、声も、奇跡のようにほぼ一緒。
"執行者"は当主の身代わりも務めるため、小さいうちに整形され、二人とも顔を似せるようにしていたのだ。
明治時代の開花から日本という帝国に仕え、戦争終戦後は世界に使えるようになった"執行者"の歴史はとても古い。
その存在、その血、その力、その権力は一生継承されていく。
全ては、世界の均衡を保つ四つの柱
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RANA(プロフ) - ゆかりさん» 遅くなりましたが続編で来ました！続編でも読んでいただけたら幸いです。 (2021年8月1日 21時) (
レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ゆめのあきさん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2021年8月1日 21時) (レス) id: 1320bd10d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続き待ってます (2021年7月23日 16時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ 更新楽しみにしてます！ (2021年7月15日 1時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - らむくんさん» そうなんです……シリアスをシリアスにできずに本当に申し訳ないです切腹 (2020年8月14日 1時) (レス) id: 37ff009e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RANA
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時：2020年8月2日 13時
