メインディッシュをどうぞとは。 ページ9
No side
「私を信じて『汚濁』を使ったのかい?泣かせてくれるね…」
頬に感じる冷たい指先とともに聞こえた、落ち着いた声。
『汚濁』は無効化され、全身に浮かび上がった異能痕は消える。冷静さを取り戻し、目の前に居る憎い相手を睨んだ。
「嗚呼、信じてたさ。手前のクソ忌々しい生命力と悪知恵をな」
「白雪姫を目覚めさせるには、少々乱暴な方法だったね」
御伽噺の白雪姫は毒林檎を食べて眠ってしまい、王子の
それと比べたら確かに乱暴だが…
絵面的にもまずい。
中也は嫌悪を露わにして吐き捨てるように言う。
「殴られるのを見越して、口の中に解毒剤仕込んでやがったくせに…」
本来は澁澤と結託し、ドストエフスキーが太宰と手を組んだフリをした事。
澁澤が太宰を毒を塗った
異能特務課が中也を召集し、Aがサポートに回る事。
中也が自分を殴る事。
その凡ての事柄は太宰の想定通り。
異能が無効化され、力を使い果たした中也が太宰の上に乗りかかる。すぐに退こうと力の入らない身体を無理やり動かそうとしたが、「動くな」と太宰に抑えられた。
「霧がまだ消えていないようだ。この状態で君の異能から君を守るなんて状況は、御免こうむりたい」
「まだ終わってねェのか」
「嗚呼。恐らく、ここからだ」
「くそ…もう指一本、動かせ、ねェ…ぞ」
中也は気を失った。
彼を一瞥し、骸砦の方へと目を向ける。
「ここまでは読んでいた。けれどここから先は、彼等次第だ」
「最早この霧の拡散は止まらない。この星は死の果実_デッドアップルとなる」
半壊した骸砦の中で、玲瓏な声が響いた。
まだ宴は終わっていない。
ドストエフスキーは嗤い、手に持つ髑髏に語る。
「ささやかながら僕からの
そう言って、額に異能を集める結晶の欠片を埋め込んだ。
これで、澁澤は特異点となる。
髑髏は淡く光り、姿を変える。
凡てを思い出した澁澤の本来の目的は、"己の異能に抗い運命に打ち勝つ生命の輝き"だった。
それを魅せたのは敦だ。生を渇望するその煌めきに、死して尚この世を彷徨い続け、求め続け、探し続けてきた。
やっと見つけた。
この喜びを抑える事などできない。
「私を殺して生命力を証明してみせた君の魂を…その輝きを見せてくれ」
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RANA(プロフ) - 夜月銀桜さん» ありがとうございます!再更新の日にまたお会いしましょう!! (2020年1月30日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月銀桜(プロフ) - お疲れ様でした!また10を楽しみにしています! (2020年1月29日 21時) (レス) id: 8b1129a01c (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ぴのさん» ありがとうございます!!徳永は相変わらずのおにぎりキャラメルペースです!←この子はずっとこんな調子です←←あともう少しで終結へ…それまでよろしくお願いします。 (2019年12月11日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - RANAさん続編おめでとう&スター作者おめでとうございます!徳永ちゃん相変わらずマイペースね……性格がぶれないからほんとに好きです! (2019年12月9日 15時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - I am gotさん» ありがとうございます。期待に応えられるよう頑張ります! (2019年12月9日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2019年12月5日 16時