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保健室ではなく医務室とは。 ページ10

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鼻歌が医務室に響く。

その中に、扉を開ける音が言った。


「あれ、徳永参謀...?」


ポートマフィア専属医師が目を見開く。


鼻歌を歌っていた張本人、Aはくるりと振り返った。
そして手を掲げ「こんにちわ〜」と笑いかけた。

その笑みにドキリとしつつも、扉を閉めて歩み寄る。


「珍しいですね。如何したんですか?」

『実は紙で指切っちゃいまして。部屋に絆創膏が無かったんで、此処に探しに来たんですよ』


Aが人差し指を見せる。
見事にぱっくり切れていて、血が出ていた。


医師は納得したように頷いた。


「絆創膏でしたら此方にありますよ」


Aが探していた棚の隣の棚を開けた。

そして絆創膏を一枚取り出し、「どうぞ」と渡した。
Aは礼を言い、すぐに絆創膏をつけた。


『助かりましたよ〜。これから会議なんで、貼ってなかったら書類に血つけてるところでした』

「それ若干ホラーですね」


即答で突っ込みを入れた。
この医師は才能があるらしい。


"会議"という言葉が心の中で引っかかった。

顎に手を当て考える。


思い出したのか、「あっ」と顔を上げた。


「会議って、例の事件についてのですか?」


今朝、同僚達が話していたのが脳裏に浮かんだ。

Aは面倒くさそうな顔をしながら頷いた。
そして大きな欠伸をする。


『めんどいったらありゃしない...医師(せんせい)、体調悪いんで休ませてください』

「此処は学校の保健室じゃありませんよ」


ちなみにベッドは今空いてません、と笑顔で言った。

Aが悔しそうな表情で項垂れる。


医師はクスリと笑った。
そして二回軽く手を叩き「ほら、行ってください」と促した。

まるでサボりの生徒を授業に行かせようとする保健室の先生である。


Aは緩く返事をし、手を振りながら医務室を出た。


ふぅ、と息をつき、ベッドで寝ている患者の様子を見ようと其方に向かう。

その途中Aが開けたままの棚を見つけ、そっと閉めた。

白陣営ver.徳永のイラスト3→←安らかに眠れとは。



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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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