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安らかに眠れとは。 ページ9

No side


この男を殺せば、この抗争は終わる。


Aが足を一歩踏み出そうとした時、肩を掴まれた。

中也だ。


「俺の仲間を返せ」


静かな声で言った。


すると澁澤が漸く三人の存在に気づいたかのように顔を上げた。


「ようこそ、退屈なお客人」


無感動な眼差しを向ける。


「どうせ君達も私の欲するものを与えられはしない...早々に消え給え」


澁澤の背後のキリが薄くなり始めた。

霧の中にある"何か"が徐々に見えてきた。


死体だ。
しかもそれは、行方不明になっていた中也の仲間達のだった。


「君の友人は皆自 殺したよ。退屈な人間は死んでも退屈だ」

「手前ェ...」


さっきよりも静かで、けれど殺気と怒りが確かにある声。


途端、中也の顔に赤い異能痕が現れた。

強く握りしめた拳が震え、手袋と袖がはじけ飛ぶ。
露わになった腕や手にも異能痕が走った。


「止めるなよ」

「やれやれ」


ため息交じりに太宰が後ろに下がった。

Aは中也を見たが、踵を返して隣から離れた。


「"陰鬱なる汚濁"...か」


中也の異能が暴走を始めた。


絶叫。咆哮。轟音。


ありとあらゆる音が、横浜全体に響き渡った。






惨憺たる様相を見せる現場を、別のビルの屋上で眺める男がいた。


外套が風で大きくはためく。

濃い紫色の瞳が、月光によって照らされた。


「...楽しすぎるね」


そう言って怪しく微笑んだ。

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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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