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踊り舞う結晶とは。 ページ41

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ドストエフスキーは2つの結晶を掲げ囁いた。


「さぁ、まずは貴方のキャンセル能力で結晶という殻を無効化し、異能をあるべき姿に戻してください」

「敦くん達が無事だといいが...」


微かにAが反応する。

脳裏に浮かんだのは、敦達ではなくポートマフィアの面々だった。


ポートマフィアは異能力者が多い。
今もこの横浜の何処かで自身の異能と戦っているだろう。

が、心配している時ではない。


砂を払うかのように浮かんだそれを消し、結晶体へ目を向けた。


太宰が2つの結晶体に触れる。
すると淡い光が溢れた。


結晶体は宝石のような形を失い、3人の頭上に飛んでいき混ざり合った。

2つの光はひとつの完全な球体となった。


それはまるで、血ように赤く艶やかな林檎。


殻を破った異能(成熟した林檎)はドラコニアにある結晶体の吸収を始めた。

赤い線を描いて、無数の結晶体が一つになっていく。


「これに触れて消せば、すべてが終わる」


太宰は光球を真っ直ぐ見据えて呟いた。
その横顔には決意の表情が見え、凛としていた。


太宰の手が巨大化した赤い林檎()に向かって伸びた。


直後、どんっと背後で何かがぶつかってくる音がした。


熱を帯びた痛みが全身に走る。

目を見開くと同時に、Aが驚愕した表情を浮かべているのが端で見えた。


「言っただろう?」


聞こえた声は、本来聞こえないはずの声。


白い髪が揺れ、赤い瞳が愉し気に歪んでいる。


「私の予想を超える者など現れない、と」


太宰の背後にるのは、ドラコニアにはいない筈の澁澤龍彦。

手にあるのは鈍く光るナイフ。
その刃は太宰の背に深く刺さっている。

それでも足りないのか、澁澤は更に深く突き刺した。


『太宰...!』


Aが袖に隠していた短刀を握った。

そして素早く澁澤の背後に回り、喉を掻き切ろうと振りかざす。


「無駄ですよ」


耳元で悪魔が囁いた。

振り向いてももう遅い。


ドストエフスキーが短刀を持つAの手首を掴み、後ろで捻った。

痛みに顔を歪める暇もなく、首筋にナイフが充てがわれた。

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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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