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黒い塊と帯の正体とは。 ページ5

No side


落ちる筈の単車は落ちない。

重力を無視し、壁を走り続けた。
車輪が壁面に擦れて焼け焦げる。


能力者の雷が単車を狙う。

が、それは黒い帯によって阻まれてしまった。


『学習しないのかな、あの仮面男』


それはAの、凡る影を操る異能によるものだった。
先程の黒く丸い塊も、黒い帯も、単車の影で作ったのだ。


Aが反撃をしている間、中也は更に速度を上げた。

ビルの屋上にいる仮面の男を睨みつける。


「調子に乗りやがって」


そう吐き捨てて、更にエンジンを噴かせた。

向かう場所は、仮面男がいるビルの屋上。


連続で襲い来る雷を防いでいると、今度は二つ同時に襲ってきた。
Aは「あー、もう」と眉間に皺を寄せた。


『ウザい』


黒い帯の影を一つにし、大きな板状のものを作った。
それを雷電に勢い良くぶつけた。

途端、爆発が起こり黒い煙が辺りに広がった。


その隙に中也は渡り廊下の屋根を通り、隣のビルへと移る。
そして再び垂直に上っていった。


上り切ると、単車が宙に浮いた。

唸りをあげながらビルの屋上へと着地する。


中也はスピンしながら単車を止めた。

すると仮面の男が続けて電撃を放ち、エンジン部に稲妻が落とされた。


爆裂音が屋上に響いた。





その場には太宰もいた。

両手首には手錠が嵌められ、口元には殴られたのか痣と薄く血が滲んでいた。


「雷に打たれて死んでたら面白かったのに」

「ぶっ殺すぞ」


爆炎を吹き飛ぶ。

その中から不機嫌そうな中也が現れた。
隣にはAもいる。

二人とも爆破に巻き込まれた筈が、無傷だった。


「五分の遅刻だ」


太宰はそう言うと、背後にいた監視員を蹴り飛ばして気絶させた。


『何発殴られた?』

「三発、しかも全力で」

『どんまい』

「軽くないかい?」

「ついでだ。俺が殴り殺してやろうか?」


中也が唇を歪めた。


「君が殺すのは私じゃない」


指を鳴らすと太宰の手錠が外れた。
最初からわざとつかまっていたのだ。


手錠が屋上のタイルに落ちた。


その直後、いくつもの足音が聞こえてきた。

見てみれば、仮面の男達が前方にぞろぞろと集まっていた。

向かう先に、とは。→←上司と部下とは。



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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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