協力者とは。 ページ40
No side
無言で結晶を眺めていた太宰の後ろで錠がかかった音がした。
目を向ければ、ドストエフスキーの手に鍵があった。
「計画通りですね」
「あぁ、計画通りだ」
太宰が静かに頷いた。
『彼奴に気づかれずに此処まで来るのはホント苦労したよ...ただでさえキャラメルとおにぎり不足で死にそうなのに』
ドラコニアの縁を歩きながらAが言った。
ドストエフスキーはゆったりとした仕草で歩いた。
それに続いて太宰もゆっくり歩きながら「ところで」とドストエフスキーに目を向けた。
「君が私と組んだ本当の目的は何だい?」
「僕にとっての世界のあるべき姿を求めただけの事です。ただ、余興は多い方が善いでしょう?」
ドラコニアの中央にある台座の前まで来た。
しかし2人は歩きを止めずすれ違う。
すぐ近くで立ち止まり、振り向きもせず太宰が口を開いた。
「道化は誰かってことか?」
そっと目を伏せ言葉を続ける。
「君と組む事は不本意だが、澁澤を道化にするには仕方がなかった。何しろ奴は、日本政府すら手玉にとった男だ」
漸くドストエフスキーの方に振り返った。
ドストエフスキーは背を向けながら薄い笑みを浮かべる。
「彼は太宰くんとAさんの案内があろうとなかろうと、最初からこの横浜で霧を熾す気でしたからね」
2人の元にAが二つの異能結晶体を持って近づいて来た。
ドストエフスキーの前まで来るとそれを差し出した。
『これでいい?』
「えぇ、ありがとうございます」
Aから異能体を受け取った。
手の上で爛々と赤い輝きを放っている。
それを今度は太宰の前へ差し出した。
そして二つの異能について説明し始めた。
「一つは見える範囲の異能者を一ヶ所に集める結晶体。もう一つは触れた異能力者同士を混合し、一つの異能にする結晶体。
この二つでコレクション全て吸収すれば、エネルギー源は絶たれ、霧を維持できなくなります」
澁澤が横浜全域を覆う程の霧を生み出し、維持し続けれたのは、此処にある膨大な量の結晶体のお陰だった。
ならばその全ての結晶体を集め、まとめて異能化すれば霧も消えると考えた。
その計画を一人で実行することは不可能。
だからこの三人が集い、手を組んのだ。
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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年3月27日 0時