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上司と部下とは。 ページ4

No side


「真逆。中也だけ死んでほしいよ」

「手前が死ね」

『中也に死なれたら困る』


金色の瞳をした少女__徳永Aが言った。


帽子は飛ばされないよう深く被り、小さな手はしっかりと中也の腰に回されていた。


『私にキャラメルを奢ってくれる人がいなくなる』

「お前は俺を何だと思ってやがるッ」

『私にキャラメルとおにぎりを貢いでくれる優しい上司(仮)』

「落とす」


ドスの利いた声でそう言った。

普通の人間ならば怯えて泣くだろう。


しかしAはケロッとした顔で「上、いる」と視線を上げた。

それに続いて中也も視線をあげれば、自分を狙う対戦車榴弾が見えた。


榴弾が二人目掛けて落ちてくる。

それを中也は単車を操って避けた。
ペダルが地面に当たり火花を散らす。

弾は中也達を通り過ぎ、道路を爆破した。


続けて二発、三発と撃つがどれも当たらない。

もうもうと煙が立ち込む中、中也は悠々と単車を走らせていた。


突如、真横を雷電が通った。


表れた方向を見れば、高層ビルの屋上から仮面の男が二人を見下ろしていた。


「チッ、糞能力者か!」

『最悪』


毒づく二人を、異能によって生み出された雷が地面を削って追いかけてきた。

車体を傾け、避けようとした。
が、更に雷光が襲ってきた。


雷の閃光が走り、地面が陥没した。
土煙が上がり、二人の姿をかき消した。

雷が直撃したように見えた。


次の瞬間、反対にあるビルの壁を黒く丸い塊が登ってきた。


黒い塊は割れ、地面へと戻っていく。

中から現れたのは、変わらず単車に乗った中也とAだった。
しかも無傷である。


『今日が満月で良かった』


金色の瞳が怪しく光った。


そしてその後ろには、単車の下から黒く太い帯状の影が揺れていた。

黒い塊と帯の正体とは。→←六年前とは。



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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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