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有利は此方とは。 ページ17

No side


同時に数十人の気配がした。

見渡してみれば、黒服の男達が銃を持って囲んでいる。


「無駄な抵抗はしないでください、徳永さん」


コツ、と靴の底を鳴らして現れたのは樋口だ。
銃口はAを捕らえていた。


突如、両隣に人が降りてきた。

一人は銃を頭に、もう一人はナイフを首筋に当てている。


立原と銀だ。
後ろには広津も控えている。


『黒蜥蜴が態々お出迎え?光栄だねぇ』


くつくつと、この場に似つかない笑い声。


樋口は鋭い目つきでAを見る。
ぎり、と銃を握り直した。


「我々と共に来てもらいます。さもなくば...」


全員の頬に冷や汗が伝う。

銃を、ナイフを握る手に力が入った。


その様子を見ていたAが口を歪めた。

嘲笑うかのように嗤っている。


『悪くはない。けど、"私ばかり見ていちゃ駄目だよ"』


構成員達の銃がすべて真っ二つになった。
そして倉庫の影が蛇のように体に巻き付き、身動きがとれなくなった。


突然のこ出来事に驚き、隙を作ってしまった。


Aは右手で立原の手首を、左手で銀の手首を掴み武器を使わせなくした。

その状態のまま立原、銀の順に腹を蹴る。

立原は樋口の方へ吹っ飛ばされ、一緒に地面へ倒れ込んだ。
一方銀は広津の方に吹っ飛んだが、受け止められた為倒れることはなかった。


『まだまだ甘いなぁ』


中央でAが嗤った。


先程までは樋口達が有利だった筈なのに、今では真逆である。


なんとかしなければ、と樋口は思考を巡らせる。

その時、黒刃がAを襲った。
突風が怒り、砂埃が舞う。

腕で防ぎながらも、黒刃を操る人物を見た。


「芥川先輩!」


『羅生門』を纏った芥川がAがいた場所を見つめた。


砂埃が晴れていく。

黒刃を影で作った壁で防ぎ、何事もなかったかのようにAは立っていた。


芥川はAを睨みつける。


「大人しく縄につけ。でなければ僕が喰い千切る」

『...あのさぁ』


ゆっくりとAが顔を上げた。


途端、樋口は金縛りにあったかのようにAを見たまま動けなくなった。

威圧感と殺気が混ざり合い、得体のしれない気配が自身を襲う。
呼吸をするのもやっとだった。


『君等に私を捕まえるなんて、出来るの?』

「試してみるか」


直後、二つの黒刃がぶつかり合った。

黒獣と影とは。→←特務課と参謀とは。



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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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