検索窓
今日:26 hit、昨日:55 hit、合計:394,052 hit

特務課と参謀とは。 ページ16

No side


『重治さん久しぶり〜、日本に帰ってきてたんだ』


Aはニコリと笑いながら言った。


『夜に墓参り?変わってるねぇ』


さっきまでしていた奴が言うか。


いつもと変わらないA。
対して重治の表情は神妙なままだ。


「...違うよ」


直後、金属音が聞こえた。


目だけを周りに向ければ、黒い特殊部隊の者が数人いた。
手には短機関銃がある。

その銃口は、Aに向けられていた。

既に安全装置は外され、引き金に指がかけられる。


それでも、Aは笑みを浮かべたままだ。


『わぁお、私モテ期?照れる』

「単刀直入に言うよ。
澁澤龍彦を裏ルートを利用して横浜に入れたのはAだね」


ピリッと空気が張り詰める。


特務課の男達は息を飲み込んだ。

相手はポートマフィア参謀"闇の支配人"と呼ばれている人物。


1秒たりとも気を緩むことは許されない。


「A、君は何がしたい?」


その問いにAは答えなかった。

雲が月を隠し、辺りを見えなくした。
直ぐに雲は流れ、再び地上を明るく照らした。


Aの表情が見える。
18歳とは思えない程、艶やかに微笑んでいた。


『ざーんねん』


突如、Aを守るようにして地面から黒い壁が現れた。

影だ。


特務課の男達が引き金を引いた。

弾丸の雨が影の壁を襲うが、地面に跳ね返されていた。


「やめろ!」


重治の鋭い声が響いた。


銃声が止まり、暫くすると壁は地面へ消えていく。

そこにAはいなかった。


男達が慌てて探しに走る。


重治はゆっくり歩き、Aがいた場所の前に立った。


「A...」


呟いた名前は、夜風と共に消えた。









場所は変わり、横浜の海岸付近。


倉庫の影がゆらりと揺れた。
その中からAは姿を現した。


周囲を見渡し、誰もいないことを確認すると走り出した。

静かな倉庫街に靴音が響く。


ある角を曲がろうとした。
が、一発の弾丸が地面に撃たれ、Aの行く手を阻んだ。

有利は此方とは。→←忘れる筈のない言葉とは。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (395 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
891人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。