【文スト】参謀とは。白編【DEAD APPLE】

眠気と戦う会議とは。 ページ12

会議室を見渡せば幹部、準幹部、幹部補佐、龍くん、樋口ちゃん、広津さん＿＿と組織の中心人物がいる。
そして後ろでは、全員を見渡せる位置に座る首領。


ふわぁ、と欠伸が出た。

やっぱり徹夜してからの会議はキツい。
超絶眠い。


「これが入手した映像です」


会議の進行役、中也が真面目な顔をスクリーンに向けた。

同時にスクリーンに何処かの街の映像が流れた。


高層ビルが幾つも建ち並び、その間に小さな赤い光が星の数ほどあった。
建物が広告等で夜の街を明るく照らしている。

ニューヨークか。

前に広津さんがお土産でくれたチーズケーキがめちゃめちゃ美味しかったな。。


なんて思ってると、左端から緑色の靄が現れた。
それは徐々に広がり、街を呑み込んでいく。

街が見えなくなったところで映像が早送りにされた。


「1年前、米国(アメリカ)のニューヨークで謎の濃い霧が発生。数分間でこのように広がり、消失しています」


画面の中で霧が晴れる。

一時停止され、カシャリという音と共に切り替わった。


映し出されたのは1枚の写真。街の道路だろう。
その中心には幾つもの赤い薔薇が"何か"を包むように覆っていた。


再度画面が切り替わり、拡大写真が映った。


"何か"は死体だった。

そして赤い薔薇は覆っていたのではなく、死体を土のようにして咲いていた。


「霧が消失された後に発見された死体です」


美しくも残酷な写真だ。

にも関わらず、また大きな欠伸が出た。


「この人は異能者ですか？」

「あぁ、そうだ。此奴は米国では薔薇使いの異能者で殺し屋でした。次に＿＿」


視界がぼやけてくる。

話の内容が全く入ってこない。


もう寝ていいかな？
だって私徹夜だよ。白い灰だよ。

それに此の侭の体勢保てばバレないんじゃ...？


瞼が落ちてくる。
眠気が私を夢の世界へ導いていく。


「何寝ようとしてんだ手前はッ！」

『い‶っ』


突如額に来た強い衝撃。

体が後ろに大きく仰け反った。
そのせいで椅子ごと倒れ、派手な音が会議室に響き渡った。

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