龍の訪れとは。 ページ14
飲み終えた私は太宰に軽く別れを告げて
その後夕食を買うために途中でコンビニに寄る。
コンビニの善い所は、おにぎりの種類が豊富なところだ。
加えて値段は安くて普通に美味しい。
一番美味しいのは専門店の処だけど、彼処は遠いんだよなぁ。
なんて考えていると携帯の着信音が鳴った。
後ろにいる客がぎょっとした目で私を見たが気にしない。
おにぎりを選びながらそれに出た。
『はいはい、此方徳永さん。只今絶賛おにぎり選び中なんで後にしてくださーい』
「手前を握り飯にしてやろうか」
え何、潰すってこと?
おにぎりになるのはいいけど、中也がやるとなると物騒だな。
それに私にはまだキャラメルがある。まだ食べられる側になる訳にはいかない。
一時中断して真面目に聞くことにした。
『んで、如何したの』
「手前が澁澤について調べてるって聞いてな、何か掴めたか?」
『あぁ、そのことね…判ったことが2つある』
1つ目は澁澤の異能が力を増していること。
六年前までは自身の周囲で霧を発生させていたが、今じゃ街1つを覆ってしまう。
会議中にも思ったことだが、改めて当時のことを見返すと想像以上に増幅していた。
『__そして2つ目、奴は竜頭抗争前に或る孤児院を訪ねてる』
「孤児院?」
『それからの足取りは不明。そして竜頭抗争に姿を現した』
孤児院から竜頭抗争までの間が空白なのだ。
奴の正確な足取りは掴めなくとも、何かしら噂や目撃情報を聞く筈なのだけど…
そういえば、
『敦くん、孤児院出身だっけ』
「なんか言ったか?」
…考え過ぎ、か。
『いいや。あぁ後、奴の__』
ブツッといきなり通話が切れた。
え、何故。
私何も押して無いけど。
『おーい、もーしもーし。カルシウム不足の中原中也さ…ッ!』
人の気配がしない。
後ろを振り返るが、さっきいた客の姿は無く籠が虚しく置かれている。
…真逆。
急いでレジの方に行くが、矢張り店員はいなかった。
コンビ二を出て外に出る。
『ハァー…せめて会計を済ましてからが善かったんだけど』
其処に月の光はない。
行き交う人もなく、車が無造作に列を作っている。
路地裏のように薄暗い街。
気味悪い霧が横浜を覆っていた。
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RANA(プロフ) - 月影のアリスさん» え、あ、え、い、いいんですか!?(( それはもうぜひ!!お願いします!!! (2020年1月29日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
月影のアリス(プロフ) - 徳永ちゃん描かせていただいてもよろしいですか? (2020年1月28日 21時) (レス) id: 8ac6197a54 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» どうぞどうぞ載せてください!!キャラメル気がついて頂けたんですね(〃▽〃)更新頑張ってください! (2019年9月19日 0時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 紅翡翠さん» おにぎり食べてドヤ顔してる徳永めちゃ可愛いです!ポケットにはさりげなくキャラメルが…!ありがとうございます!!もしよろしければ小説にのせてもいいでしょうか? (2019年9月19日 0時) (レス) id: 96770a17e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅翡翠(プロフ) - RANAさん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/4/a/2/4a22a73a582ac871202ccf3647d37b53.jpegこっちがアナログです!http://uranai.nosv.org/img/user/data/1/3/0/130135aa9b79aa3a66aefa33239f3ca0.png2枚目はデジタルです!拙い絵ですいません…々上手く貼れてますかね? (2019年9月18日 15時) (レス) id: a6376c4245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年12月18日 0時