叩きつけられた現実とは。 ページ6
目の前を、死体が乗った担架が通り過ぎる。
一応帽子を取って一礼。
運んでいる構成員の背中を見届けてから、そのまま再び足を動かした。
着いた部屋には黒服の構成員がぞろぞろいた。
その中央に、一際目立つ和装の女性が静かに立っている。
私はその人に近づく。
すると私に築き、意外そうに目を丸くした。
『こんにちは、姐さん』
「お主が此処に来るとは、珍しいのう」
『
そう、此処は
まぁ本人は首を吊って死んだらしいが。
にしても、派手に殺られたものだ。
ぐるりと部屋を見渡していると携帯が鳴った。
構成員全員の目がこっちに向いたけど知らん顔で出る。
「僕だ。獲物が掛かったぞ」
『じゃあ狩りの時間だ、龍くん。食い千切らない程度に、ね』
「言われずとも」
『流石。あ、ほうこ__』
「やらん」
ブチッと通話を切られた。
まともに何も言ってないのに、酷いわんわんだ。
「ちぇっ」と呟きながら携帯を仕舞う。
「...お主等、まだ喧嘩しとるのか」
姐さんがため息をつく。
"お主等"って言うのは...首領と私の事で。
私は否定出来ず、近くにいた構成員から調査書を貰ってテキトーに捲る。
「何時まで意地を張っておる。今回のは両方悪い、いい加減仲直りしたらどうじゃ」
『......判ってますよ。でも、どう言ったらいいか判らないんです』
親の顔も覚えていない私は、勿論親子喧嘩なんてした事なくて。
一日もまともに話してないのに、何て声を掛けたらいい?
そんな悶々とした考えを消すかのように、姐さんが私の頭を優しく撫でた。
「父親であろうて。"ごめん"と一言だけで充分じゃよ」
『...饅頭茶漬け付けたら?』
「鴎外殿の事じゃ、泣いて喜ぶじゃろ」
中年の泣くところは見たくない。
...でも、そっか。
それだけで大丈夫なのか。
フッ、と心が軽くなった気がした。
『今度美味しい漬物持ってくよ』
「ふふ、それは楽しみじゃ」
「尾崎幹部!徳永参謀!」
一人の構成員が転ぶんじゃないかっていう勢いで部屋に掛け込んで来た。
表情を見る限り、只事じゃないことが直ぐに判る。
「何事じゃ、騒々しい」
「ぼ、首領が__
何者かに刺され、意識不明の重体です!」
『はっ......?』
手から帽子がするりと落ちた。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時