暗殺に向いている異能とは。 ページ17
No side
立原が驚いている間にも、谷崎は『細雪』を発動させて自身の分身を創った。
焦りを感じ銃弾を放つ。
「撃つな立原!」
広津の声に立原の動きが止まる。
そして辺りを見渡してみれば、3人の位置が変わっていた。
下手に撃てば当たってしまう。
「何だ今のは。身体検査はした筈だろ!」
「異能力を込めた頁を服裏に縫い付けていたのだ」
ガチャ、と背後で扉が閉まる音がした。
出口を塞がれ、広津達の逃げ場が無くなった。
全神経を尖らせ、ただ相手の気配に集中する。
何時何処に現れるか判らないまま、時間だけが過ぎていく。
ふと、銀の後ろで何かが動いた。
"それ"は禍々しい殺気を放っていた。
銀は反射的に振り返り、体を後ろへ倒す。
直後、
「銀!」
広津は右手を構える。
そして拳に異能を込め、谷崎の腹を殴った。
谷崎は壁に衝突し、ずるずると床へ倒れる。
「仕留めたか?」
「...否」
スゥッ、と谷崎が霞み始めた。
幻像だったのだ。
広津は扉へ近づき取っ手を軽く引くが、その場を動こうとしない。
完全に閉じ込められた。
「...奴の狙いは我等ではない」
「は?如何いう__」
「奴の狙いは最上階。動けぬ首領を暗殺する気だ」
最上階、首領専用部屋。
広津から連絡を受けた構成員達は武器を持って正面口へと向かう。
その様子を角で眺めていた谷崎は消えゆく構成員達の背中を見届け、静かに部屋へ侵入した。
__戦いを終わらせるには、これしか無い。
手元には
この戦いで必ず誰かは死ぬ。なら、この命で終わりに__と、
全身を駆け巡る熱さと痛み。
口からは血が線を描いて流れる。
ゆっくりと後ろに目を向ければ、自身の胸部を貫く刀を持った『金色夜叉』。そして
「赦せ、
ポートマフィア幹部__尾崎紅葉が壁に佇んでいた。
刀が抜かれ、谷崎はどさりと床へ倒れ込む。
痛みに顔を歪める中、靴音が近づいて来た。
『『金色夜叉』の刀を受けて生きてるとは、やっぱり人は見かけじゃないね』
靴音はすぐ近くで止んだ。
横に顔を向ければ、誰かが自分を愉しそうに見下ろしている。
『また会ったね、オレンジくん』
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時