【文スト】参謀とは。4

迷い犬達とは。 ページ24

太宰side


「鏡花ちゃん、君が望むなら殺しで生きる道を用意してやってもいい」


けれど、彼女はそれを望んでいないだろう。

鏡花ちゃんの苦悩は、鏡花ちゃんだけのものじゃない。


だから私は訊ねた。





「"成りたいモノと向いているモノが違う時、人は如何すればいい？"」





＿＿生き方の正解を知りたくて、誰もが闘っている。





何を求めて闘う？




如何やって生きる？




答えは誰も教えてくれない。




我々にあるのは、迷う権利だけ。



溝底を宛もなく疾走(はし)る、









土塗れの、迷い犬達(ストレイドッグス)のように＿＿






「...私からは、もう言うことはない。ここから先は鏡花ちゃん自身が決めるんだ」


そう言って通信を切った。


大丈夫、彼女なら...。


『仕掛け人も楽じゃないね〜』


回転式の椅子でクルクルと回りながら言うA。
見てみると、パソコンの電源を落としていた。


私もパソコンの電源を落とし、立ち上がる。


「そうだね。さぁ、最後の仕上げだ」

『えっ、それ私も行くの？』


面倒くさい、と言いたげに顔を顰める。

私はニッコリと笑って見せた。


「そうしないと芥川くんを回収できないだろう？」

『...おにぎり』

「はいはい」


スーツを着て最初に来た時の変装をし始める。

文句を言いながらも来てくれるようだ。


...あ、そういえば。


私はAに、聞きたいことがあったのだ。


「ねぇ」

『ん？』







「何故、敦くんと鏡花ちゃんを助けるんだい？」

助けた理由は二つとは。→←無限にあるものとは。

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